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人権ほっと(213)

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大阪府柏原市

■学びのダイバーシティの尊重
大阪教育大学 講師 今枝 史雄

皆さんはダイバーシティという言葉を聞いたことがありますか?ダイバーシティとは「多様性」という意味で、社会において、人種・性別・能力など違う人々が共存していることを示しています。タイトルの「学びのダイバーシティの尊重」とは、子どもたち一人一人の多様な学びを尊重することです。今回は二つのトピックから考えます。
一つ目は外国籍の子どもたちに対する学びの保障です。2022年12月号の「人権ほっと」でも紹介したのですが、日本は、外国籍のある子どもたちが近年増えてきています。外国籍の子どもたちは日本語を読むことが難しい場合があります。日本人で読みに困難のある子どもたちはマルチメディアデイジー教科書といった「音声教材」を使うことができますが、外国籍の子どもたちは使うことができませんでした。しかし、2024年6月に法律が改正され、外国籍の子どもたちも申請すれば「音声教材」を使うことができるようになりました。今後の活用が期待されます。
二つ目は不登校の子どもたちの学びの保障です。不登校の子どもたちは近年増えてきており、文部科学省の調査によれば、2018年~2022年の5年間で倍増しています。こうした対応のため、2024年4月に大阪市に大阪市立心和中学校が開校しました。昼間部は始業時間を13時15分とし、昼過ぎから授業が始まります。授業でしんどくなった時は保健室の他に、自由に休憩できるリラックスルームを活用できます。不登校の子どもたちに対して、「学ぶことの喜びを実感し、自らの可能性を広げられるような教育の創造」を目指しています。
こうした制度整備や取り組みに共通するのは子どもたち一人一人の学び方は違い、学び方に合わせて教えるということの大切さです。今後、さまざまな場で子どもたちの学びの保障が進むことが望まれます。

問合せ:人権推進課
【電話】072-972-1544

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