■調査の概要
5年度全国学力・学習状況調査は、全国の小学6年生と中学3年生を対象に、4月18日に実施されました。今年度の学力調査は、国語・算数(数学)・英語(中学校のみ)で行われました。また、学習状況調査は、学習意欲、学校環境、生活習慣などについて、アンケート形式で行われました。
※調査結果についての詳細は、市ホームページに掲載しています。
※本調査結果は、子どもたちの学力や学習状況、生活状況の一部を示すものであり、全てを表すものではありません。
■本市の小学生の状況
◇国語
平均正答率は67.5%(全国…67.2%)で、全国平均を若干上回っていますが、経年変化をみると課題がみられ、改善が急務となっています。
これまで課題として挙げられていた「言葉の特徴や使い方に関する事項」の領域については、平均正答率は72.0%(全国…67.5%)と改善傾向です。今後も、漢字や文法など、言語能力の土台となる力の育成に励んでいきます。
一方で、今回、記述式の設問が3問出題されていましたが、全ての設問において全国の正答率を下回る結果でした。また、無解答率についても、3問とも全国を上回っており、課題がみられました。どの設問にも共通することは、「複数の情報を活用し、考えを論理的にまとめる力」が求められていたということです。
本市は、一つの課題に対してじっくりと向き合い、自分の考えを深めていくといった授業の研究は進んでいますが、複数の資料から情報を収集し、整理・分析しながら自分の考えを構築するといった授業の進め方の研究が進んでいないと推察されます。今後は、複数の情報を整理して考えをまとめる学習活動を、国語科に限らず、さまざまな教科で取り入れるなど、授業の改善を図っていきます。
また、無解答率も高かったことから、複数の資料の内容を捉えることが難しかった児童もいたと考えられます。抵抗感なく、資料の内容を把握するためには、普段から活字に触れる機会を増やす必要があります。
指導に当たっては、学校図書館や市立図書館を効果的に活用した授業づくりの推進や、読書に親しむことのできる学習環境を整えるなど、活字に触れる機会を増やす取り組みの充実を図っていきます。
◇算数
平均正答率は65.3%(全国…62.5%)で、全国を上回る結果でした。また、全ての領域において、全国平均を上回っており良好な結果でした。
ただし、全国と同様ではありますが、「テープを直線で切ってできた二つの三角形の面積の大小について分かることを選び、選んだわけを書く問題」の正答率が18.3%(全国…20.8%)と低く、課題がみられました。
択一の後、根拠を記述する問題ですが、択一の時点でおよそ3分の2の児童が正しい回答を選べておらず、斜辺を高さと混同している児童が一定数いると考えられます。
指導に当たっては、児童が形式的な処理だけによらない理解を進められるよう、情報過多の問題設定を用い、必要な長さを選び出させる学習や必要な長さを測定させるといった指導の改善を図っていきます。
[児童質問紙]
「自分には、よいところがあると思いますか」に対し、否定的に回答した児童の割合は16.2%で、改善傾向にあります。「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」に対し、91.0%の児童が肯定的に回答しており、児童の個性を大切にした関わりができていると考えられます。今後も、個性や多様性を認め合い、安心して授業や学校生活を送ることができる風土をつくるとともに、児童一人一人が活躍することのできるよう、多様な場の設定を図り、個性が輝く魅力ある学校づくりに取り組んでいきます。
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