介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みとして、介護保険制度が平成12年に創設され、高齢者の生活を支える制度の1つとして定着してきました。今後、高齢化が一層進む中で、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯、認知症高齢者など、介護や何らかの支援を必要とする高齢者がますます増加することが予想されます。11月11日は介護の日。介護業界で働くことについて考えてみませんか?
■介護のいま
◆求められる介護職員
令和4年度現在、約215万人が介護業界で働いていますが、4年後には約25万人多い約240万人が必要で、さらに14年後の令和22年には約272万人が必要と言われています。
大阪府でみても、令和4年現在19万3974人に対し、令和8年度には21万5481人(2万1507人増)が必要で、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる令和22年度には、23万5210人が必要となり、6万1877人が足りなくなると言われています。
こういった状況の中、国では介護職員の確保のため、処遇改善、多様な人材の確保・育成、外国人材の受け入れ環境整備などといった介護人材確保対策を行っています。実際に令和4年度介護従事者処遇状況等調査によると、介護職の平均給与に関しては平成24年に月額約27万円だった賞与等込み給与が、令和4年には約32万円まで上がっています。
また、令和5年度介護労働実態調査によると、介護職員2万699人のうち46.4%の人が「仕事の内容・やりがい」に対して「満足・やや満足」と回答しており、「不満足・やや不満足」と回答している人は、わずか8.4%でした。
出典:厚生労働省第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
◆介護の仕事とは?
介護の仕事は、支援の必要がある高齢者などが、その人らしい暮らしを実現するためのサポートをする仕事です。介護を必要とする一人の人に対して、多くの職種が関わり支えています。職種によって高齢者との関わり方もさまざまで、その中でも代表的な職種には下記のようなものがあります。
○多岐にわたる介護の職種
・介護職員
介護施設などで日常生活のサポートを行います。入浴や排せつ、食事の介助やレクリエーションなど、さまざまな仕事があります。
・訪問介護員(ホームヘルパー)
利用者の自宅に訪問し、日常生活のサポートを行います。入浴や排せつ・食事などの介助だけでなく、掃除や洗濯、調理、通院のお手伝いをします。
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護を必要としている人に対し、本人の状態に応じた適切な介護サービスが受けられるよう計画を作成し、介護事業所や市役所と連絡調整を行います。
◆みんなで考えよう 介護について
11月11日は、介護についての理解と認識を深め、介護サービス利用者とその家族、介護従事者などを支援する日です。この機会に、介護の仕事への理解・認識を深めましょう。
府では、大阪城天守閣、太陽の塔などのブルーライトアップを実施します。そのほか、介護の魅力発信動画「介護にキュン」もYouTubeで配信中です。詳細は府ホームページをご確認ください。
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