■災害への「備え」について
能登半島地震では、指定避難所以外のビニールハウスや集会所などに避難した方も多くいました。このような住民自らが自主的に開設する避難所は、行政が開設する指定避難所とは異なり、避難者数の把握から漏れ、行政などによる支援から取り残される可能性があります。そこで本市では、7月に地域防災計画を改定し、自主避難所を位置付けるとともに、届出により事前把握できるようにしました。
また、本市では、8月に「南海トラフ地震」を想定した住民対象の防災訓練を行いました。総務省消防庁は、能登半島地震の教訓をふまえ、食料や水などの備蓄についてこれまでは3日分と呼び掛けていましたが、6月に今後は「最低3日間・推奨1週間」と改めたところです。今回は真夏の訓練であり、熱中症対策や腐りやすい食料の保存などについて、改めて備えを確認するきっかけにしていただけたものと思います。
私は、東日本大震災など数々の災害の復旧・復興対応を経験してきましたが、日頃からの備えが実際の災害発生時の対応の成否に大きく影響すると実感しています。自らそして周囲の人の大切な命を守るために、改めて「備え」の大切さについて考えていただけたらと思います。
■持続可能で効果的な雨水対策への転換について
近年、気候変動の影響で雨の降り方が変わり、また、都市化の進展で農地などが減少し、雨水を「貯める」「浸透させる」機能が低下していることも相まって、全国的に浸水被害が頻発しています。
本市では、これまで雨水管やポンプ場による排水を基本として雨水対策を推進してまいりましたが、短時間に雨水が集中し、下水道の処理能力を超えて浸水することを防ぐため、ハードの整備だけに頼らないソフト施策も組み合わせた雨水対策に切り替えることにしました。市民、事業者のご協力のもと、市民の皆様には、雨どいからの雨水をタンクへ貯め、災害時の断水への備え、日常の水やりなどへ活用することや浸透ます設置で地下にしみこませることを検討していただけたらと考えています。また、来年4月には市街化調整区域における開発許可権限について大阪府から本市への移譲を予定しています。事業者の皆様には貯留槽や雨水浸透施設、透水性の舗装などを採用していただきたく、開発許可の際に雨水対策の協議を義務化することについて検討しています。
公民の力を結集した災害に強い安全・安心なまちづくりの推進にご理解、ご協力をよろしくお願いします。
問合せ先:
・危機管理課
【電話】072-433-7392
・下水道推進課
【電話】072-433-7362
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