【1】MY DREAM 将棋
◆将棋のまちでプロになる。
日本将棋連盟奨励会員 清水慎(まこと)さん
古くから将棋が親しまれ、今ではタイトル戦が行われるなど、将棋にゆかりの深い高槻。関西将棋会館の移転で注目が高まる「将棋のまち」に中学受験に合わせて九州・宮崎から移り住み、次代のプロを目指す中学生がいる。
▽Profile
清水慎さん
第44回全国中学生選抜将棋選手権大会優勝、日本将棋連盟の「奨励会」でプロを目指す中学2年生。小学生から将棋教室に通い始め4年生で九州研修会へ入会、高槻移住後は3つの将棋教室と関西将棋会館の棋士室で切磋琢磨する日々
◆勝つためだけではなく楽しむ気持ちで将棋を指したい。
棋士を目指すならベストな環境で。清水さん一家が高槻に越してきたのは、小学4年生だった慎さんから「プロになりたい」と聞いたのがきっかけだった。
父の影響で3歳の頃から将棋に触れ、すぐに祖父を打ち負かすようになった慎さん。小学1年生で地元の将棋教室に通いはじめ年長者と対局を重ねるうち、週1日の教室がいつの間にか週6日になり、迎えに行っても帰ろうとしないほど将棋に夢中に。レベルを上げるにつれ、毎回宮崎県代表として全国大会に出場するなど、大会入賞も増えていった。
「AIより人と対局するほうが好き」。関西でより強い相手と戦いながら力をつけた慎さんは、昨年、多くのプロを輩出した中学生の全国大会で優勝。超難関とされるプロ棋士の養成機関「奨励会」の入会試験にも合格した。
慎さんが大切にするのは、師匠の深浦康市九段のような「諦めない将棋」。「やってみたい戦術を楽しみながら体で覚えていきたい」と、週末になると関西将棋会館に通い詰める慎さんは、対局の時間が増える高槻移転を心待ちにしている。
◆年間4人の狭き門!プロ棋士になるには?
プロ棋士は、四段以上の段位所持者。プロ棋士の推薦を受けて東西の将棋会館で行われる奨励会の入会試験に合格し三段まで昇段、年2回実施の三段リーグで上位2人となれば四段昇格、プロになれる。ただし、奨励会入会は19歳まで、満21歳までに初段、満26歳までに四段になれないと基本的に退会となる。奨励会に入らずアマチュアから三段リーグやプロへの編入試験を目指す方法もあるが、アマ四~五段は奨励会6級。厳しい世界だ。
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