【3】MY DREAM 農業
◆高槻の農業を次代に引き継ぐために。
大阪版認定農業者 吉田正子さん
※吉田さんの「吉」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本誌をご覧ください。
自宅の横を収穫体験用のさつまいも畑に。直売所「農風館」に出荷する野菜などを作りながら、学校給食への協力にも熱心なのは「都会でこそ食や農業に関心を持つ機会が大切」という強い想いからだった。
▽Profile
吉田正子さん
約60a(アール)の農地で、化学肥料や農薬を通常の半分に抑えた「大阪エコ農産物」認証のじゃがいもやたまねぎのほか季節の野菜などを栽培。都市農業の主たる担い手と位置付けられる大阪版認定農業者
※1aは10m四方:100平方メートル
◆給食や収穫体験を通じて地域農業の大切さを伝えたい
約20年前に義父の農業を手伝いはじめ、2年前に本格的に引き継いだ吉田さん。義父が力を入れていた学校給食用の野菜作りにも力を入れ、市内の学校に届けている。先輩農家のサポートも受けながら、毎日1人で汗を流す吉田さんの願いは、ほっとする自然の風景を残すこと。「都市化が進んだ高槻に残る農地は本当に貴重。何度も水害に遭いながら先人たちが命がけで守ってきた田んぼを失くすわけにはいかない。できる限りがんばろうと思っています」。
そのための第一歩と考えるのが、なぜ地域に農業が必要なのかの理解を広げること。学校給食で地元の米や野菜を食べるのはいい機会になる。農業の楽しさに触れる体験も大事と、さつまいも掘り園にも積極的だ。
最近は、食育に前向きな先生との交流が始まるなど手ごたえを感じることも。「高槻の農業の未来を築くのは、人。誇りを持ってやれる仕事ということを知れば、後継者も育ってくるのでは」。やりたい人への協力は惜しまないつもりだ。
◆学校給食に高槻産の農産物。生産者と児童との交流も
高槻は農業体験を取り入れるなど食育に熱心な学校も多い。市立小・中学校の給食では、米飯は地元産米。使用する野菜も地元産のじゃがいもやたまねぎなどの使用を推進する。生産者と児童が一緒に給食を食べて交流する取り組みには吉田さんも参加。食材が育つ様子を子どもたちに伝える栄養士への協力も行っている。
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