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【たかつき歴史アラカルト115】きらめく大刀(たち)の意味

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大阪府高槻市

「刀は武士の魂」という言葉もあるように、刀剣には武器に留まらない意味付けがされてきました。武士の時代からさらにさかのぼる今から約1,500年前、古墳時代後期の古墳からも、特別な意味を持つ大刀が見つかります。
装飾付大刀と呼ばれるこの大刀は、鍔(つば)や刀身に金銀の象嵌(ぞうがん)があり、鞘の外側にも金線や銀線を巻きつけた華やかな姿です。中でもひときわ目立つ柄の上端、柄頭(つかがしら)には、金銀に輝く龍や鳳凰、獅子などをかたどった装飾を設えます。
ここで、塚原L1号墳で見つかった捩(ねじ)り環頭(かんとう)と呼ばれる装飾付大刀の柄頭を紹介しましょう。捩り環頭は、ねじった鉄の環(わ)に薄い銀板を巻いたものです。継体大王や王権とゆかりの深い者たちが所持していたとされ、装飾付大刀の中でもさらに特別なものです。
他にもさまざまな研究から、装飾で特定の氏族を示す大刀があったことが分かってきました。装飾付大刀は、その輝きで持ち主の権力や帰属を示威する特別なステータスシンボルだったのです。
きらめく大刀を身に付けるリーダーたちの姿は、見る人の目にさぞ華やかで厳かに映ったことでしょう。
(今城塚古代歴史館)

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