■子どもたちから進んでる! 将棋に親しむきっかけを「将棋のまち」ならではの方法で
日本将棋連盟との包括連携協定により、「将棋のまち」としての取り組みを進めてきた高槻。
関西将棋会館の移転を今秋に控えるなか、将棋との距離を縮めているのが子どもたちだ。
◆小学1年生に高槻の木で作った将棋駒を配布
高槻では令和4年度から、市内在住の小学1年生に高槻産木材を用いた将棋駒を配布している。配布時は、棋士が市立小学校41校に順次訪れ、すべての子どもたちを対象にした出前授業があるのも高槻ならではの特別なもの。2月の五百住小学校への配布では、高槻出身・在住で同校の卒業生でもある古森悠太五段が来校し、母校の子どもたちに将棋の楽しさにふれてもらった。
駒に使用されたのは、間伐材や台風被害などによる倒木。授業では、高槻の豊かな自然環境を支える森の役割や大切さなど「森育」も行われている。
プロから直々に将棋を教わる特別な体験は好評。今年度の1年生には入学式で配布、秋ごろからこの授業が予定されている。
◆プロの棋士が特別に授業
この授業で行われるのは、将棋駒に初めてふれる子どもでも楽しめる「将棋くずし」や「まわり将棋」。古森五段は子どもたちの間を回って声をかけながらやさしくサポート。棋士と一緒に将棋に興じたひとときは、将棋をぐっと身近にしてくれる。
●Interview
◇高槻在住棋士 古森悠太五段も期待! 「将棋といえば高槻」というまちになってほしい
最近、とくに子どもたちへの将棋の広がりを実感しています。教えている将棋教室はいつもいっぱいで、みんな熱心。小学校に指導に行った棋士仲間も、認知度の高さに驚いています。新関西将棋会館ができると、将棋教室、研修会、奨励会がすべて地元で行われるようになり、プロを目指すにはすごくいい環境です。有望な子はたくさんいると思うので楽しみですね。やっぱり、遊びのひとつとして将棋をもっとやってもらいたいですし、その中から高槻出身の棋士が多く生まれるようになっていけばうれしいです。自分も「将棋のまち」の棋士として、一層がんばりたいと思っています。
将棋会館では歴史的な対局が行われてきました。今後はそれが高槻で行われるようになりますし、対局に来た有名棋士とばったり会うかもしれません。棋士仲間も高槻に注目しています。高槻はグルメが充実して住みやすい。それに将棋が加わり、さらに魅力的に発展してほしいです。
古森悠太五段
平成7年生まれ。高槻市出身在住。直近のNHK杯ではベスト16になるなど躍進中。
新関西将棋会館の近隣の店舗ではスイーツと和食系に期待
◆高槻の子どもたちの将棋環境が充実中
最近、高槻では将棋に興味を持つ子どもが増えているという。
清水認定こども園では関西大学将棋部による将棋教室を実施。園にあった「どうぶつしょうぎ」が人気になり、去年の秋から4・5歳児で火が付いた。今では本格的に指す子どもも増え、発表会では将棋をテーマにした劇あそびを行い、保育室の一角には将棋盤を置いた対局コーナーや人気棋士の記事の切り抜きも。今後は将棋を通した地域の高齢者との交流も考えているとか。
○認定こども園で大学生による将棋教室が人気!
園児の中で将棋に興味のある約60人を初級、中級、上級の順に時間をずらしながら、4人の学生が多面指しで指導。「振り飛車」の戦法を教えたあとは、部長が園児と直接対局も
・将棋を教えた人
関西大学将棋部部長
守安隼人さん
「この中からプロが出てもおかしくない」
そもそもこの年齢で将棋が指せるのがすごい!キラキラした目で夢中になってくれるのがうれしいです。今後も将棋に関わる活動があればぜひ役に立ちたいです。
○プロが小中学校で指導!
平成31年から小中学校の将棋クラブや部活などに棋士を派遣。
将棋好きの子どもたちにプロによる直接指導が行われている
○子ども向けの将棋教室イベントも!
高槻阪急スクエアが昨年10月に実施した「親子将棋教室」では、山崎隆之八段、北村桂香女流二段が指導対局。今後も将棋イベントを定期開催する予定
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