女性の装いは流行を映す鏡です。ヒッピーファッションやDCブランド、聖子ちゃんカット、厚底ブーツ、最近はリバイバルファッションなど、ひと目見るとその時代が持つ特有の空気感を味わうことができます。では遥か昔の女性たちは、いったいどのようなファッションスタイルだったのでしょうか。
当時の女性たちの姿を伺い知ることができるものの一つが女性の埴輪の代表例である巫女形埴輪です。市内最大の前方後円墳である今城塚古墳の巫女形埴輪は、さまざまなポーズをしています。腕を前に差し出し、杯(さかづき)を捧げる巫女や、バンザイをしているように両手を大きく上げる巫女。彼女らのファッションに注目すると、髷(まげ)のように髪を頭の上で結い上げています。衣服は、スカートのように裾(すそ)が広がり、三角形を並べた模様や波紋が重なったようなデザインです。その上に帯を締め、両肩にたすきをかけています。トップに勾玉が付いたネックレスや、素足に二連に着けられたアンクレットなど、それぞれ特徴的なアクセサリーを着けています。
巫女形埴輪を通して、古墳時代のファッションはイメージできたでしょうか。レトロブームやリバイバルブームの昨今。もしも古代系のブームが到来したときには、今城塚古墳の巫女たちも参考にしてみてください。
(今城塚古代歴史館)
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