■どんな仕事も今につながる
30年務めた接客から清掃へ。働いて気付いた2つの仕事の共通点とは。
▼Interview3
清掃員 嶋村幸美さん
68歳。前職は接客業務一筋だった。現在安満遺跡公園内の子育てサービス施設の清掃業務に従事。旅行好きで、夫と海外に行くことが目標
◇仕事を続けるという選択
65歳を迎える前に、夫と話したのが「仕事を続ける」ということ。家でだらだらするよりも、仕事をして社会に出て、お互い活気ある生活を送る。そんな関係でありたいと確認しました。
そこで利用したのがシルバー人材センター(下欄)で、未経験の清掃業務を紹介されました。どんな仕事が合っているか、これまでの経験を生かして何ができるのか、分からなかったですし、これまで接客の仕事しかしてこなかったので不安でした。でも就業場所は幼い子どもがたくさんいる場所。子どもと関わることが好きなので、きっと楽しいはず、思い切ってやってみようと思い、決断しました。
◇ちょうど良い働き方
仕事の日は1日10,000歩を目標にウオーキングしながら就業先に向かいます。仕事中も荷物を運んだりごみを片づけたりと、結構な運動量で健康にすごく良いです。でも無理はできないので、体を気遣いながら週に3日、3時間働いていて、自分にちょうど合っていると思っています。
◇清掃も「接客」
清掃の仕事をしながら、感じていることがあります。それは前職のスキルが生かせていること。実は、施設内を掃除していると、よく子どもから「何をしているの?」と話し掛けられたり、私の名札を見て名前を呼ばれたりします。
そんなとき、うまく子どもの応対をしながら、清掃の仕事も進めていかなければなりません。「接客」の仕事は、今でも十分生かすことができていますし、子どもと触れ合える楽しい仕事に出合えました。仕事を紹介してくれたシルバー人材センターの人も私の特性を理解してくれたのだと思い、感謝しています。
◆ここで仕事を見つけた
▽シルバー人材センター
ID:005768
高齢者にふさわしい仕事を家庭・企業・公共団体などから引き受け、会員に提供。就業以外にボランティア・サークル活動の紹介もあります。
対象:市内在住の60歳以上
日時:月~金曜の8:45~17:15 ※祝日を除く
問合せ:【電話】681-2751
■セカンドステージを充実したものに「働く」のすすめ
「就労」を選択肢の一つに。迷っている人は、一歩踏み出そう高齢になってから新しい仕事に挑戦することに対し、さまざまな不安や疑問があるのは当然のこと。専門家の遠座さんに高齢期に「働く」ことについて聞いてみました
健康・生きがい就労ラボ・理事長
遠座(おんざ)俊明さん
高齢者に対して、短時間就労の開発や就労マッチングに関する事業などを展開。本市の健康・生きがい就労トライアルのアドバイザーも務める。
Q 健康長寿のため大切なことは?
A 社会参加すること
健康寿命を延ばすためには社会とのつながりを持つことがとても効果的で、介護・認知症予防にもなります。高齢になっても社会参加できるのは健康のおかげとよく言われますが、実は順番が逆で、社会参加が健康寿命を支えていることが最近の研究で明らかになっています。その中でも「働く」ことは最もおすすめです。
Q なぜ就労が良いの?
A 人と関わる生活が続けられる
長く健康に過ごすためには、人と関わる生活を続けることが必要です。そしてそれを継続するためにはモチベーションの維持が重要です。自分の希望に合わせ、負荷や責任を調整しながら、学びや成長があり、さらに経済的な評価も得られる就労は、モチベーションを保つのに最適な選択肢の一つです。
Q 就労が長続きするコツは何?
A 無理のない範囲で
自分の生活リズムや老後にしたいこと、体調、家族などさまざまなことを考慮し、希望に合わせて働くことが良いでしょう。初めての仕事であれば、まずは週に2日、日に2・3時間ぐらいから始め、無理をしない範囲で調節することをおすすめします。自由時間を大切にしながら、お小遣いを稼ごう、という気持ちで臨んだ方が長続きできる人もいます。
Q 前職との気持ちの切り替え方は?
A 学び直しで柔軟に
同じ会社に長年いると、会社のルールや成功体験にとらわれてしまいがちです。再就職は、そのような固定観念を打破する良い機会で、新しい自分を発見するんだという意識が大事です。また自分のやってきたことはつぶしが利かないなどと思い込まないように。考え方を柔軟にして、学び直そうという気持ちを大切にしてください。
「就労」を選択肢の一つに。迷っている人は、一歩踏み出そう
問合せ:長寿介護課
【電話】674-7166
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