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特集 商店街は、いつもフェスティバル(2)

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大阪府高槻市

■30年以上も続けている、商店街のお祭り担当。
ー[松屋豆腐店]の3代目として、日々豆腐作りをされている松本さんですが、高槻センター街の理事としての仕事はどのようなことをされているんでしょうか?
▽「お祭り好きなもんで、毎年夏に開催している夜祭り『センタ祭り』をはじめ、商店街で行われるイベントの担当を、もう30年ぐらいやってます」

ー30年もですか!すごい!具体的にはどのようなことをされるんですか?
▽「全部自分でやらな気がすまない性格で(笑)。こんなんやったら喜ばれるかな?とゲームや出し物の企画を考えて、食材や景品の買い出しにも行きますよ。『センタ祭り』は、子どもたちがものすごく来てくれるんですよ。焼きそば200円とか安いし、輪投げのゲームなども楽しんでくれる。赤字も出したくないけど、儲けたくもなくて、お客さんもオレらも損せえへんかったらいいんちゃうかな。祭り当日、最後はクッタクタになるけど、遠くからもたくさん来てくれるし、祭りはいいですよ」

ー今年は9月7日に開催されるということで、今から楽しみですね。祭りの運営は、松本さんをはじめ、商店街の人たちでされているのですか?
▽「昔はそうやったんやけどねえ。参加する店もだんだん減ってきて、今は関西大学の学生さんに力になってもらってる。30人ぐらい手伝ってくれますが、めちゃくちゃ働いてくれますよ。子どもの相手も上手にしてくれますし。おっちゃんらはもう疲れているから(笑)、焼きそばとかのブースも手伝ってもらってる」

ーそれは、心強い助っ人ですね。いつ頃から学生たちとコラボレーションするようになったのですか?
▽「かつてセンター街は、違法駐輪の問題で困っていて。それを解消するために関大の学生さんが策をいろいろ考えてくれた。地面に子どもに絵を描いてもらって、自転車を停めるのを躊躇するようにしたり。そこで接点ができて、それからはイベントなどにも参画してくれるようになりましたね」

■60年前のセンター街は、市営バスも走っていた。
ー生まれた時から、高槻センター街とともに60年以上暮らしてきた松本さんですが、小さい頃の商店街はどんな感じだったんですかね?
▽「親父が8ミリフィルムが好きで、僕が生まれた頃の映像が残っているんですけど、当時のセンター街は砂利道で、バスも通ってた。お袋が結婚した時、文金高島田でここから車に乗って出ていく映像もあったけど、それを見ると、ここから天神町あたりまで家は5、6軒しかなかった」

ー今では考えられないですね。60年の間に高槻の中心街も発展しました。
▽「[松屋豆腐店]も、今は10時開店と〝朝早くない豆腐屋〟なんですが(笑)、当時は、近所のおかあさんたちが、6時とか7時にボウル持参で豆腐を買いに来てたみたいですね」

(国産大豆を使い、汲み上げた地下水を使用して豆腐を作ります。)
(夏にはところてんやこんにゃくなどがよく売れるそう。)

ー味噌汁とか、朝ごはんに出来たての豆腐を食べていたんでしょうね。松本さんが今覚えている小さい頃の記憶はありますか?
▽「3歳の頃、今[純喫茶モン]のあるところに幼馴染の(園田)賢ちゃんの家があって、家の前でよく遊んでましたね。一緒に幼稚園にも行きました。それから、もう60年近く経ちますが、今でも遊び友達です」

ー長く続くいい関係ですね。[松屋豆腐店]はいつから店を継がれたのですか。
▽「33年前に親父が亡くなった時から店を継いでいます。59歳で亡くなったので、その時のオレの目標は59歳まで生きること。数年前になんとか達成しました」

ー豆腐作りは、やはり先代から学ばれたのですか?
▽「そうですね。なんとなく親父をラクさせたらなあかんという気持ちがあって、亡くなる5、6年前から教わりながら作ってましたね。今は…息子がいるのですが、オレが教えるのが下手すぎて(笑)、なかなか身につかない。なので、豆腐作りはこのままオレが最後までやると決めています」

(「厚揚げは200℃の油で揚げるので、大豆を煮る100℃の蒸気と合わさると地獄(笑)」と松本さん。)

■若い世代が子育てしやすく暮らしやすい街・高槻。
ー60年以上、一歩も外に出ず高槻で暮らしてきて、今の高槻の魅力ってどういうところにあると思いますか?
▽「今の若い世代にはとても住みやすい街なんじゃないですか。うちの娘も、しばらく夫の転勤で茨城県にいたのですが、帰ってきたら『やっぱり高槻いいよ。子育てがしやすい』と喜んでましたから。子どもの医療費は500円だし、小学校も中学校も給食費が無料やし。娘は妊婦だった時、運賃が100円になる市営バスのこうのとりパスを使って助かってました」

(松本さんは、高槻市内の小学校数校で10年間、豆腐作りを教えていたことも。)

ー子育て世代にはいい街ですね。そういう若い世代は、商店街に来られますか?
▽「来ますよ。若い人は、うちや隣の高槻市場に来たら楽しんでるのがわかるね。今の時代、豆腐屋なんか珍しいって。市場の魚屋なんかも面白いおっちゃんがおるから楽しいと思いますよ。オレらもどんどん声掛けてくれたら話もしますし。子どもと一緒に見にくるだけでもいいんです」

ーそうやって商店街が日々にぎわえばいいですね。〝お祭り担当〟として、今後やっていきたいことはありますか?
▽「将棋を盛りあげていきたいよね。こないだセンター街で、『100面指し指導対局』が開催されたけど面白かった。高槻に住む古森悠太五段推しで、いろんなイベントをやっていきたいですね」

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