問:
[移住定住問題と情報発信について]
本村の現在の人口は451人です。そして、これから先12年後の2035年には人口212人、2045年には126人になるという人口推計が出ております。
126人というこの数字は、奈良県内39市町村中最下位です。
全国的に見ても、統計がとれた1,681地域中、1,680位ととても残念な結果が想定されており、深刻さがうかがえます。
人口減少問題には、人口流出と移住定住の二つの観点があります。
移住定住について本村では、積極的な定住、移住の受け入れに向け、リノベーションされた移住体験住宅が2022年9月小橡地区に、移住者用賃貸住宅が2023年7月河合・西原地区にそれぞれ1棟が整備され、活用・入居募集が開始されました。
人口が年々減少し、空き家も増加することが予測されることから、2020年に策定された「第2期上北山村空き家等対策計画」や、現実的に雑草等の繁茂、衛生上の生活環境悪化等の改善も図れることから、本事業に関して評価するところであります。
しかし、本事業の実績を担当課にお伺いしたところ、移住体験住宅の利用実績は、2022年度3月1件、2023年度5月、6月、7月、それぞれ1件ずつで計4件、移住者用賃貸住宅は本年7月公表で、問い合わせ1件、成約には至らず、空き家コンシェルジュの昨年度の実績は、所有者新規3件、利用者新規29件、内覧0件、成約0件となっておりました。
移住体験住宅、移住者用賃貸住宅は始動したばかりですが、これまでの実績を鑑みた今後の事業展開をお伺い致します。
また、空き家コンシェルジュに関して、目覚ましい成果が得られていないのではと推察致します。村長自身も令和5年度の政策方針において見直しを図りたいとのことでしたが、現在の見直し状況と今後の方向性をお伺い致します。
また、本村には他の自治体にはないような子育て支援や移住のための魅力的な支援策が多くありますが、移住定住希望者にその情報が届いていないのではないでしょうか。
これではせっかくの政策も大変勿体ないものとなってしまいます。
移住定住問題を例に挙げましたが、それらに限らず、広く多くの方に本村の情報をもっと知っていただくために、ホームページ等の更新や、SNSを活用し、日々更新される自治体情報の発信力を高める必要があると考えますがいかがでしょうか。
問:
[自主防災組織と防災士について]
本村は急峻な地形や地質、山間部特有の変わりやすい気象状況などの自然条件から、地震、豪雨、土砂災害など、多くの自然災害が発生する可能性が大いにあります。
先の8月14日には台風7号により、村内で大変な豪雨となり、高齢者等避難が発令され、避難所が開設されました。7月に全戸配布された新しいハザードマップは土砂災害の警戒区域の最新データであり、A2サイズと大きくわかりやすく、村民にとって必要な最新情報が記載され大変有効だったと思います。
このような災害が発生した場合は、行政の行う「公助」も大切ですが、村民の大事な生命、財産を守るために、自分の命は自分で守るという「自助」、そして地域の皆さんが助け合って協力し合って命を守る「共助」が、一番大切だと言われます。
災害発生時に被害を最小限に食い止めるため、地域に密着した自助、共助を育てていくことが必要であり、地域防災力の強化が重要だと考えます。
台風7号における本村の被害状況、並びに避難状況とその誘導方法をお伺い致します。また、ハザードマップを活用した村民の減災防災意識の高揚など、速やかに難を避ける行動ができる環境を今後どのように進めるかをお伺い致します。
つぎに本村には、国が定めた災害対策基本法に基づいた「上北山村地域防災計画」があります。
それに加え、自分たちの地域は自分たちで守るという精神に基づく、自主防災組織が組織編成されていますが、具体的にどのような体制で組織化されているのでしょうか。
また、その組織化と役割について、村全体的に認識度が低いように感じます。
自主防災組織の重要性と認識度を高め、育成支援していく体制を早急に確立する必要があると考えますがいかがでしょうか。
記録的な豪雨災害や台風被害が毎年のように発生する本村において、地域での自助・共助・協働を活動目的とした「防災士」の存在が必要だと考えます。
本村における防災組織のリーダーとなる「防災士」の資格取得を推奨し、資格取得のための環境整備・補助金制度など取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
答:村長
[関係人口の創出について]
村が現在どのような取り組みを行っているのか、現状と今後の方向性についてお話します。
関係人口は移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもなく、地域や地域の人々と多様に関わる人々として、国においても増やす取り組みを推進されており、近隣の自治体でも様々な取り組みが実施されています。
本村においても、総合戦略の将来像に上北ファンが行き交い、村民が生き生きと暮らす村としており、村外の方と村民が交流を持つことによって、村の活性化に繋がるものとして進めており、人口減少の中で、関係人口の存在は大きなものになりうると感じています。
これまでの主な取り組みとしては、ヒルクライム大台ヶ原や大台ヶ原マラソン、また地方創生事業でのマルシェなどといった交流イベントを通じ、来訪されている人々を継続して取り込み、まずは村への関心を持ってもらい、上北山村のファンとなっていただくことを進めて参りました。
ただ、令和元年から新型コロナウイルスの感染拡大により、各種イベントは軒並み中止となり、本村としてもなかなか積極的に取り組みができない状況でありました。
今年度に入り、コロナの規制も緩和されたこともあり、各イベントについては再開しており、今後についても、各イベントの周知により上北山村を積極的にPRし、村への関心を持っていただけるよう進めていきたいと考えています。
併わせて、とちの木センターにはこれまでも大学生などが合宿に利用されていたことから、学生の合宿だけではなく企業研修など、もっと多くの方に利用を促し、関係人口の創出に繋げることを検討して参ります。
このような取り組みの中から、村への関心を持っていただいた方も交えた交流が生まれ、新たな視点での村の魅力発見に繋がることを期待し、進めて参ります。
また、新たな会議体での取り組みを進めたらとのご提案でございますが、村としても積極的に取り組むことは必要と認識しており、その上で申し上げれば、新たな会議体の創設については、ご存知のように、本村には各種様々な団体が存在しており、活動がなされていますので、既存団体を取り込んで実施することも可能でしょうし、また、現在村と関わりのある大学等の繋がりを利用することも検討できると思います。
ただ、できれば行政主導ではなく、住民の方々が先頭に立ち、村民主導として行い、村としては、その方々の活動に関わらせていただく方が、より地域に合った、そして内実のある関係を作り上げられるのではないかと思います。
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