令和6年度 斑鳩文化財センター 春季企画展
「発掘調査速報展 新たに見つかった斑鳩のお宝」
今月号では、5月11日(土)から6月30日(日)まで、斑鳩文化財センターで開催する、春季企画展「発掘調査速報展 新たに見つかった斑鳩のお宝」について紹介します。
■令和5年度実施の発掘調査
舟塚古墳をはじめ、法隆寺周辺遺跡(若草伽藍(わかくさがらん)跡推定地)や、中宮寺跡周辺遺跡、いかるがパークウェイの建設に伴う発掘調査などを実施しました。特に、舟塚古墳や法隆寺周辺遺跡(若草伽藍跡推定地)については、調査成果の重要性から現地説明会を開催し、多くの人に見学いただきました。
今回の展示会では、これらの調査成果を詳しく紹介するとともに、過去に行った関連する調査成果もあわせて紹介します。
■舟塚古墳
舟塚古墳は、法隆寺観光自動車駐車場内に所在する古墳で、当町と奈良大学が共同で発掘調査を実施したところ、天井石(てんじょうせき)が抜き取られた状態の横穴式石室が見つかりました。石室内部からは、40個近くもの土器をはじめ、大刀(たち)のほか、馬具(ばぐ)類や玉類など、多くの副葬品(ふくそうひん)が出土しました。土器の年代から、舟塚古墳は藤ノ木古墳よりも古いことがわかり、藤ノ木古墳以前の斑鳩の古墳時代の様相を知る上で貴重なものです。(詳しくは令和5年10月号広報紙をご覧ください)
■法隆寺周辺遺跡(若草伽藍跡推定地)
法隆寺南大門より東方で法隆寺南面大垣(なんめんおおがき)の南側で行った発掘調査で、聖徳太子が建立した法隆寺(若草伽藍)に関わるとみられる溝や大量の瓦が見つかり話題となりました。(詳しくは2〜3ページをご覧ください)
■中宮寺跡周辺遺跡
史跡中宮寺跡の周囲にひろがる遺跡で、特に西方と北方に遺構(いこう)がひろがっています。これまでの調査で、多くの掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)跡や7世紀から8世紀にかけての瓦や土器が比較的まとまって出土しており、中宮寺(中宮寺跡)の維持管理に関わる遺跡と考えられています。令和5年度は、中宮寺跡の西方の2箇所で発掘調査を行い、柱穴などの遺構や土器などの遺物が見つかりました。また、このうちの1箇所からは、7世紀前半の軒丸瓦が1点出土しました。
■「いかるがパークウェイ」建設に伴う発掘調査
国道25号バイパスの「いかるがパークウェイ」の建設に伴い、平成28年度から発掘調査を実施しています。
令和5年度は、県道(大和高田斑鳩線)のすぐ西側で調査を行いました。
調査の結果、溝を数条確認し、弥生時代から飛鳥時代の土器などが見つかりました。
今回の展示会に関連して開催する歴史講演会については、下記をご覧ください。
■春季企画展 歴史講演会
令和5年度は、舟塚古墳、法隆寺周辺遺跡(若草伽藍跡推定地)など、例年に比べて多くの発掘調査を実施し、重要な調査成果がありました。
そこで、これらの発掘調査の担当者から、調査成果を紹介します。
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