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〜高取で頑張る『高取人』〜現代美術作家 大久保英治氏

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奈良県高取町

■~歩きながら創作すること50年~
皆さんは、芸術や美術に興味がありますか。本町には、兵庫県西宮市に生まれ幼少期を岡山県で過ごしながらも、2022年から市尾大字にアトリエを構えて活動する芸術家がいます。今月は、現代美術作家として活動中の大久保英治氏を取材しました。

■大久保英治氏の歴史
大久保氏は現在80歳。作家としての完成期・集大成の時期を迎えています。創作を始めた1970年代は、西洋文化がもてはやされた時代、特に美術の世界は西洋美術が中心でした。しかし自分なりの創作・自己表現に向き合った時、「東洋・アジアの歴史・文化・芸術を知り、表現すること」が必要だと痛感しました。
1980年代には自己表現追求のためにイギリスや韓国へ渡航。イギリスは同じ島国でありながら日本との違いを痛感。そこで自然素材を用いた美術表現・ランドアートに触れ、野外で作品を制作するようになりました。

■大久保氏の創作スタイル
場や空間を意識しながら「歩くこと」、歩きながら拾い集めた石や土、流木を使って、土地の持つ場所性、時間、歴史文化を表現する。それが大久保氏の創作スタイルです。1999年には四国八十八か所を結ぶ遍路道約1,500kmを、2009年には芭蕉の「笈の小文」に触発され、芭蕉と同じ道を同じ季節に大和路約400kmを歩きました。さらに2014年には大阪から矢掛まで13日間に渡り歩きました。このように先人の道を歩くことで、自らが悟りを開く境地を体現し、日本独自の自然観や仏教的世界観に身を置くことになる、と大久保氏は語ります。

■高取町をアトリエに選んだ理由は…
最後のアトリエに選ぶべき場所は、日本の歴史文化の始まりの地・奈良であるという確信をもちながら2020年から奈良県内でアトリエ探しをしていた大久保氏。そんな中、本町の景観の美しさや日本の歴史文化の礎としての魅力、規制に縛られない建築物などに惹かれました。アトリエのある市尾は、古い家屋や使い込まれた農機具、縫製工場の名残を残す布や糸、そして栗や柿の木などに囲まれており、大久保氏の中で新たな創作イメージが浮かび、新たな作品が生まれています。

■開催決定!芸術の秋がやってきます!大久保英治:辺境の作家
気軽に芸術に触れてみませんか。
ぜひお越しください。
日時:10月18日~20日9時~17時
場所:リベルテホール玄関フロア
内容:現代アート(ランド・アート)

問合せ:教育委員会事務局
【電話】0744-52-3715

■国内外で様々な作品発表を行ってきました!
1994年 アルテセラ・ビエンナーレ’94(イタリア)
1999年「大久保英治四国の天と地の間―阿波の国から歩く」徳島県立近代美術館
2001年「大久保英治展」シルケボーバッドアートセンター(デンマーク)
「ユーラシア・アートプロジェクト朝鮮半島から鳥取へー日輪と海庭とランドアート」
「地球を歩く風をみる/大久保英治展」銀座メゾンエルメス・フォーラム(東京)
2004年「森の時プロジェクト」ネダーンホフ(ドイツ)
2011年「大久保英治_あるくことからはじまる」鳥取県立博物館
2018年「大久保英治展・日常の歩行―伽耶六国から吉備へ-」岡山県立美術館
2019年「大久保英治・環流‐1980-2019‐」シアン美術館(韓国)
2024年「大久保英治:辺境の作家1973-2024」徳島県立近代美術館
ほか多数

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