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【特集】おはなしボランティア「あゆみの会」(1)

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宮城県七ヶ浜町

◆いろんな世界に連れていってあげたい
町内の小中学校の授業が始まる前の朝のひととき、絵本の世界に誘う皆さんがいます。「子どもって、ほんとに絵本の世界にすうっと入ってきてくれるの」とうれしそうに金子美千子(かねこみちこ)さん(亦)は話します。あゆみの会の皆さんの子どもたちへの眼差し、目を輝かせる子どもたち。そこには、皆さんと子どもたちが紡ぐ物語の世界があります。

▽きっかけは、卒業試験?
きっかけは、平成24年10月に開催された生涯学習課主催の「読み聞かせ講座」でした。震災の翌年でしたので、皆さん、何かしなければというような気持ちもあったのかもしれませんね。
現在、メンバーは15人。当時、講座は4回あり最後の回は、なんと!遠山保育所で子どもたちの前で実践することだったんです。卒業試験みたいですよね。
これが子どもたちにも先生方にも評判が良くて、先生から「続けてもらえませんか」という話をいただき、それでは!と、一気に機運が盛り上がりました。
それまでは、個人的に亦楽小や汐見小で読み聞かせをしていた人もいましたが、この機会に足並みをそろえた方がいいよねということで、あゆみの会が結成されました。

▽どんなときも臨機応変に
あゆみの会では、学校ごとにチームを作り、町内の3つの小学校の全学年と中学校の支援学級、遠山保育所で読み聞かせをしています。
読み聞かせの時間は、亦楽小の場合、朝の8時15分からの10分間で、年に22回あります。
読む本は、町の図書センターや近隣の図書館から借りてきます。ちゃんと10分以内に収まるよう、時間を測りながら何回も練習して臨みます。
読み聞かせの時間は、子どもたちの様子によって遅れる場合もあるので、臨機応変に対応できるように、いろいろな長さの時間の本を持ち込みます。その他に手づくり人形などの小道具もあるんですよ。

▽感情移入してはいけない?
読み手の心得として、読み聞かせの先生からは感情を入れないで読むことを勧められます。
感情移入すると、子どもたちは絵本ではなく、読み手の表情ばかり見てしまうからだそうです。
あくまでも絵本が主役なので、絵本に集中させるように淡々と読むとのことでした。
でも、私が所属している朗読サークル「きずな」では、小説などの登場人物に感情移入して読むので、どうしても誇張しちゃうんです。
自分たちが楽しむこと。楽しく読めば、子どもたちにもその楽しさが伝わるからいいか!と思っています。
私たちは、絵本を選ぶ時、子どもたちが遠くから見ても何が描いてあるかが分かるよう、遠目のきくシンプルな絵の本を選びます。本の持ち方から練習するんですよ。絵を隠さないようにページをめくる。無意識に絵本が傾いてきたり、絵本の字を読もうとして、顔がだんだん絵本に近づいていったりしてしまいます。
心掛けていることは、ちゃんと読みこんでから学校に行くこと。ページをめくるタイミングも物語に合わせて静かにめくったり、勢いよくめくったり、緩急をつけることも大切なんです。
でも、2枚一緒にめくってしまって「あらっ、ごめんね!」ということもありますけどね(笑)
今の時期だったら節分とか、季節にあった本を選びます。夏に「今日も暑いから、雪女読むね」ということもあります。

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