▽子どもたちの反応で落ち込むことも!?
読み聞かせ後には、読んだ本やその感想、子どもたちの反応などについて話し合います。
また、月に1回、メンバー全員が集まって、それぞれの学校での様子などの情報交換と勉強会をしています。
読み聞かせをするなかで一番難しいのは本を選ぶ「選書」ですね。同じ本でも違う学級で読むと反応も違います。子どもたちの反応が今一つだったときは、選書が間違ったかなぁと落ち込んだりします。でもね、みんなから「気にしない気にしない!」と励ましの声がかかります(笑)
子どもたちがニコニコって聞いてくれた時は最高の気分です。選書が良く、聞く子どもたち、読み手にとっても、いい巡り合わせがあったと実感します。
勉強会では、それぞれが選んだ本を持ち寄ることもあります。10人が3冊持ち寄れば30の本の世界を知ることができ、「それもいいね!」「どこで見つけたの?」と会話も弾みます。
他の人が選んだ本の世界にも触れることができ、選書の幅を広げるいい機会にもなっています。
▽七ヶ浜の民話も伝えたい
子どもたちには、絵本の他にいろんなことを知ってほしいですね。メンバーの中には、民話を語る人もいます。私もたまに「今日はね、耳から聞いてね!」と七ヶ浜の民話を話すんです。
去年は、七中の支援学級で七ヶ浜の民話を話したら、三浦校長先生から「2年生と3年生の生徒にも聞かせて!」と言われて、メンバー二人で11月と12月に何話か話したんです。私は七ヶ浜の民話で「長根のパーヤ」と「沼神の手紙」が好き。絵本にはない世界も伝えたいな。
▽みんな私たちの宝物
毎年、学校の子どもたちから私たちにたくさんのお手紙が届くんです。感想だけでなく、「かぜをひかないでがんばってください」と書いてあったのを読んだ時は、ぐっときましたね。そういうのが皆さんうれしいんですよ。
読み聞かせの朝に子どもたちに会うと、「今日、読み聞かせだよね!」と目を輝かせて話しかけてくる子がいます。「おはよう!今日は読み聞かせだよ」と話しかけると「わ~うれしい!」とかえってきます。これがまた励みになるとメンバーは話します。
先生方からは、本の貸し出し数が増えたことや読み聞かせの絵本の続きが読みたいと、シリーズものの絵本を図書室で探すお子さんがいたことなど、学校の様子をたくさんお聞きします。お手紙も子どもたちの笑顔もみんな私たちの大切な宝物です。
先日、二十歳過ぎの人から「あ!金子さん」と言われて、「私を覚えてるの?」と聞くと、「いっぱい本を読んでくれましたよね」と。うれしいですね!
読み聞かせをした子どもたちが大人になって、いつか、あんな本を読んでもらったとか、どこかの節目で、思い出してもらえたらいいですね。
▽一緒に楽しめれば
読み聞かせは、自分のためにしているみたいなところはあるのかもしれないですね。みんなの生きがい、やっぱり好きなんです!もうライフワークになっている。子どもたちのためというのではなく、一緒に楽しめればという感じです。私たちは、子どもと本をつなぐ。本を通して、いろんな世界に連れていってあげたいなぁ。
子どもって、ほんとに絵本の世界にすうっと入ってきてくれるの。それがわかるんだよね。対面だからこそ、あの視線からほんとに元気もらうよね!と皆さん言います。
これからも、細く長く続けて、1冊でも多く子どもたちに良い本を届けられたらいいですね。
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