■町民の皆さんは、しょっぱいのがお好き?
今年の広報1月号の特集「私たちの減塩大作戦!」の中で、健康づくり推進員の皆さんの取り組みを紹介しました。
その中で、令和2年度の宮城県のメタボ該当者とその予備軍の割合は、全国47都道府県中46位で13年間連続ワースト3位以内。しかも七ヶ浜町は健康寿命が県内35市町村中、男女とも30位以下になってしまったということをお伝えしました。
その原因の一つに、海の町の七ヶ浜町民ならではのしょっぱい味が大好き。そのご家庭で育ったお子さんも同じ食事を取っていることから肥満傾向が強いようです。
また、電車やバスを利用し、駅や停留所まで歩く都市部の人に比べ、外出には車が欠かせない七ヶ浜町民は、運動不足になりやすいのかもしれません。
町民は長年の塩分の多い食事や運動不足などから生活習慣病(食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関係し、それらが発症の要因となる病気の総称)になりやすい傾向にあるようです。
では、これらの傾向からくる七ヶ浜町の課題とは何でしょう。
◇4つの課題
(1)高血糖の人が多い
糖尿病の医療費は、疾病別医療費で毎年上位を占めています。
令和4年度特定健診の健診受診者のうちHbA1cが5.6%(要注意)以上の人が77・4%で、そのうち糖尿病の人は29・8%でした。※HbA1c:糖尿病のリスク(血糖コントロール状態)を判別するための指標で、過去1~2カ月の平均的な血糖の状態を示す検査に使用され、値が高いと糖尿病になりやすい傾向にあるようです。
(2)生活習慣病を放置している人が多い
健診結果から対象者に対し受診を勧めていますが、約半数が受診につながっていません。放置することで、さまざまな疾患を発症するリスクが上がってしまいます。
血糖値や血圧が高めの方の受けとめ方はそれぞれかもしれません。しかし、「まだ大丈夫」と思うのは油断禁物なのです。
(3)高血糖と高血圧は、やがて腎不全(透析)に
腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出する臓器です。この腎臓の働きが正常の30%以下になることを腎不全といい、ほとんど機能しなくなった場合、透析となります。
透析の医療費は、年間一人当たり医療費736万2287円と非常に高額です。
物言わぬ臓器といわれる腎臓は、病気がかなり進行しないと痛みなどの症状が表れません。高血糖や高血圧を放っておいて、気づいた時には手遅れになっている場合もあります。
(4)多い肺がん、大腸がん、胃がん 依然低い受診率
がん(悪性新生物)の医療費は入院・外来ともに高く、特に肺がんや大腸がん、胃がんにかかる医療費が高額です。がん検診の受診率は、令和4年度で肺がんが39.6%、大腸がんが34.7%、胃がんが18.1%と低い現状です。
自家用車の車検は欠かせないのに、自分の検診はおろそかになってしまいがちです。がんは何よりも早期発見、早期治療が大切です。
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