■七ヶ浜の米がうまいわけ
◇七ヶ浜くらい丁寧に米を作っているところはないと思います。
[渡邊]
知り合いに米をあげると「七ヶ浜の米はうまいね」とよく言われます。
[佐藤]
気候や土などの環境もありますが、やっぱりみんなでいいコメを作ろうという熱い思いがあるからです。
七ヶ浜くらい丁寧に米を作っているところはないと思います。七ヶ浜の各農家の耕作面積が小さいこともありますが、大規模な農家にはなかなか、そこまではできないと思います。
ファーム七ヶ浜が法人になってから10年になりますが、毎年収穫する米の100%が一等米です。町内の農家の皆さんも頑張っていますよ。5年くらい前からは、個人の農家も含めて七ヶ浜全体が一等米のみです。
仙台農協管内で多くの地域がありますが、100%一等米は七ヶ浜だけです。1年だけなら、まぐれかもしれませんが、みんなが頑張った結果なんです。
しかも、一等米は色艶や形で決まりますが、食味という美味しさのランク付けでは4ランク中、七ヶ浜の米は最高ランクです。
[渡邊]
町内の学校給食にも七ヶ浜の米が使われています。町でもっとPRして、子どもたちにも伝えてほしいですね。
[佐藤]
七ヶ浜では、主食用米の「ひとめぼれ」「つやひめ」と飼料用米の「まなむすめ」の3種類を作っています。しかもこれらの米は、化学肥料などを半分以下に抑えた、人にも環境にもやさしい環境保全米です。
■農業の多面性
◇農産物を生産するだけでなく、景観維持、小動物も住みやすい。
[佐藤]
冬の景色は土の色一色ですが、春先のしろかきに始まり、田植え、青々とした夏、黄金色の秋の光景は格別ですね。
[渡邊]
町外の人には、七ヶ浜には海があって、林があって、高山のような避暑地があって、ゆっくり回れてのんびりできるところだねと言われます。
我々はずっと住んでいるから、当たり前に思っていますが、そう言われると改めて気づかされます。
[佐藤]
田んぼをきちんと管理し、用途に合った使い方をしているからいい景色が残っているんです。田んぼの近くを散歩している人もけっこう見かけます。
単に公園を歩くのとは違って、開けた田園風景の中で、季節を感じ稲の成長を楽しみながら歩くのがいいんですね。
[渡邊]
街の中の道路だけではなく、田んぼの緑のじゅうたんの中を歩いたり、紅葉の下を歩いたり、四季折々の楽しみ方がありますね。
[佐藤]
田んぼがあるから、メダカ、カエル、ドジョウ、トンボ、鳥、蛇などの小動物が住み、日々それを感じながら農作業をしています。
カモメ、カラスなどは田んぼに来て虫などを食べてくれる。住みついて5年目になる阿川沼の白鳥は、去年あたりから稲をついばみ、迷惑な時もあるけれど(笑)。
農業は農産物を生産するだけでなく、景観維持をはじめ、小動物、昆虫も住みやすい。だから大切にしないとね。
震災後は、農薬を減らした環境保全米のほかに、マイクロプラスチックが出ない環境にやさしい有機質が多いペースト肥料も使っています。
近年、農業は自然を大切にし、環境を守る方向になってきています。農薬を減らし、有機質を含む優しい肥料を使うことにより、昆虫などが増え、それを餌に鳥などが集まり、いい環境の循環になっています。これも七ヶ浜の米がうまい理由です。
◎求む!共同作業の協力者
農地の保全・管理にご協力いただける方、興味のある方は、七ヶ浜土地改良区までご連絡下さい。
【電話】766-9179
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