■「鎮魂の花火」
阿武隈天文同好会 大槻功
先日、鎮魂の花火を見てきました。ご覧になられた方も多かったことでしょう。
お天気も良くて空気が澄んでいる秋の花火はことさら綺麗に見えました。星空もきれいだったので、一緒に撮影できたらいいなとチャレンジしてみました。
花火自体、カメラで撮影するにはそれなりの工夫が必要です。最近のスマホでもきれいに撮影ができますが、花火のような暗い背景に明るい光があるシチュエーションはなかなか思ったように写せないものです。思いのほか花火は明るいので、そのままに撮ると真っ白に写ってしまいがちです。そこで、少し難しい話になってしまいますが、シャッターの露出時間とか絞りとか感度を調整することになります。要するに、花火の色を出す工夫が必要なのです。
また、撮影のタイミングも大切です。打ち上げて花火がドーンと光る直前のタイミングで撮影を開始して、花火が消える頃にシャッターを閉じます。そのようなカットを何枚も撮影して、あとでパソコンを使って画像を合成して仕上げます。それと花火直前に星空を撮影しておいた画面と更に合成してできたのが下の写真です。上手く星と花火のコラボレーションが撮れたと感じています。
背景の星空は北の空ですので、北斗七星の一部や北極星が写っています。撮影しながら、災害当時のことを思い返していました。豪雨災害で亡くなられた方々の魂を鎮める花火なので、静かに見上げて祈るところでの撮影は気が引けるところでもありましたが、この光景を残すことも無意味でもないのかなと思いながらの撮影でした。
これから秋が深まってくるにつれて気温も低下してきますが、星空がきれいに見える季節になってきます。アンドロメダ座やカシオぺヤ座など秋の星座を見ることができます。寒くない格好で星空を眺めていただければと思います。
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