■「丸森の夜は暗い」
阿武隈天文同好会 大槻功
寒さも底をつく季節となりました。夜はキンキンに冷えて澄み切った空気が星々をキラキラと輝かせ、一年中で一番きれいな星空を眺めることができます。寒さ対策をしっかり行って、冬の星空を楽しんでみてはいかがでしょうか?
さて、夜が暗いのは当たり前のことですが、今は電気の力で光る照明のおかげで、夜も明るい部屋で生活できるようになりました。また、街灯や店の明かりで夜道も安全に移動や通行ができる時代となりました。その影響で、お化けや人を騙したりするするといわれたキツネやタヌキがいなくなったのかもしれませんね。
その一方で、夜も明るいというのは弊害もあります。植物の生育だとか動物の行動に影響があるのです。植物の花が咲く時期は太陽光が当たっている昼の時間の長短で変わったりするので、夜が明るいと咲く時期が変化します。動物でも睡眠に影響が出ますので、夜が明るいことは良いことばかりではないのです。
星を見るにも空は暗いほうがいいですね。なるべく街灯のない場所で見るとびっくりするほど星がいっぱい見えてきます。例えば、仙台市は都会なので街全体が明るくて星はかすかにしか見えませんが、丸森町では夜空が暗いので星はたいへんよく見られます。そんな夜空の暗さを示した地図があります。それを見ると丸森町は宮城県でもだいぶ暗い空だということが分かります。それは田舎でもあるからなのですが、ある意味きれいな星空が見られる資源だともいうことができますね。
その町内でも筆甫はさすがに暗い空で、松ヶ房ダムあたりだと一番星空がきれいに見られることがわかります。実際に星の撮影に天文マニアが訪れていますし、私もときどき星を見にいっております。
※光害マップ:天体観測や生態系に影響を及ぼし、エネルギー資源を浪費する一因になる光害の度合いを表したマップ。
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