■子どもの肥満を減らすには
▽同済病院 三浦ヨウ子
宮城県は大人だけでなく、子どもも肥満傾向の出現割合が高いです。幼児肥満は学童期以降の肥満、ひいては大人の生活習慣病発症につながるので、幼児期からの肥満対策が大切です。
出生後の体脂肪率がどのように変化するかというと、乳幼児では、男女とも1歳頃までにほぼ最大値の20%前後に上がり、主に皮下脂肪組織に脂肪が蓄積されます。蓄積された脂肪は乳児期に急激に発達する脳組織の材料や脳細胞の栄養源になります。また離乳期の栄養摂取が不安定になることに備える目的もあります。その後2~3歳頃に体脂肪率は減少し、6歳頃には最低値になります。歩きはじめの赤ちゃんは丸々と太っていますが、小学校に入学するまでには自然に痩せていきます。
お子さんの肥満が気になる方は本紙掲載の二次元コードを読み取り、現在の肥満度を測りましょう。軽度肥満であれば、厳重な食事制限は不要です。活発に動く年齢なので、特別な運動療法も必要ありません。成人は、肥満度を判定するのに『BMI=体重(kg)÷身長(平方メートル)』を使用します(BMI22が標準体重)。しかし、成長途上の幼児期の体格をBMIで評価することは困難ですので、現在、幼児肥満は次の方法で判定します。
◎肥満(%)=(実測体重-標準体重)÷標準体重×100
幼児では肥満度15%以上は太り気味、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ、学童は肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満と規定しています。この標準体重は、厚生労働省が10年ごとに実施する乳幼児身体発育調査で得られた身長、体重の実測値をもとにしています。
もし、太りすぎという結果がでたら、肥満対策三箇条を実践してみてください。
(1)家族全員で対策に取り組む。
(2)規則正しい生活を送る。
(3)食事は、「決まった時間に」「決まった量を」「決まった場所」で食べる。
肥満度は、(一社)日本小児内分泌学会のホームページから確認できます。
※2次元コードは本紙をご覧ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>