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【特集3】子どもの小さな声を社会へ届ける ―子どもアドボカシーを知っていますか?―

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

子どもは誰でも、自分に関係のある事柄について自由に意見を表す権利を持っています。しかし、子どもの意見表明権などに対する理解は、まだ十分に広がっていません。子どもの権利を守る取り組みの1つ「子どもアドボカシー」についてお伝えします。

■子どもの権利を守るために
これまで、児童虐待の増加などを背景に、国において子どもの権利を守るための制度作りが行われてきました。平成28年に児童福祉法が改正され、子どもが持つ権利や、子どもの意見を尊重することについて明文化。令和4年には、都道府県等が子どもの意見表明などを支援することが同法に規定されました。
市では、児童相談所や児童養護施設などを意見表明等支援員(子どもアドボケイト)が訪問し、子どもの意見を聴いて周囲の大人へ伝えることを支援する「子どもアドボカシー」を進めています。本来、全ての子どもの権利は等しく守られるべきですが、家庭環境やこれまでの経験などから、自ら声を上げることが難しい状況にある子どもを支援の対象としています。施設から独立した立場の支援員が子どもの意向をくみながら接することで、子どもが安心して自分の思いを話せる環境を整えます。
家庭や学校、地域などにおいても、子どもアドボカシーについて理解することが大切です。子どもの声をよく聴き、尊重することが、子どもの権利を守る第一歩になるのではないでしょうか。

■「子ども主導」を大切に
一般社団法人 子どもアドボカシーセンターみやぎ 代表理事 檀崎 たつみさん
子どもアドボケイトとして活動するうえで「子ども主導」という考え方があります。以前、中学校で相談員として子どもたちと関わる中で、子どもたちが自分の意見を丁寧に扱ってもらえなかったことにより、意見を言わなくなったり、大人への信頼がなくなったりする姿を見て、将来、悪影響が出ることを危惧していました。子どもにとって、自分の意見が大切にされる経験が自己肯定感を育む上でも欠かせないと思います。
子どもアドボカシーの取り組みでは、子どもの権利について学ぶだけでなく、子どもから信頼される大人であることが重要です。子どもは大人の支配下にあるのではなく、大人と同じように権利があることを認識し、子ども一人一人が尊重される社会を目指していく必要があると考えています。

子どもアドボカシーセンターみやぎでは、市と宮城県が委託する「子どもアドボケイト養成講座」を実施しています。詳しくは、【URL】https://childadv-miyagi.hp.peraichi.com/top/をご覧ください

■子どもアドボケイトの活動について
養成講座を修了したアドボケイトが施設等で活動しています。活動の内容やポイントをご紹介します。

○こんなこと言ったら迷惑かな? 自分の意見や考えを表現できなくて困っている子どもがいます
・アドボケイトが交流を重ねながら関係を築いていきます
・子どもの意見を引き出すような質問などはしません。子どもから出された声や願いのみをそのまま受け止めます
・子どもが自分の意見を周囲の大人へ伝えたいと思う場合は、そのお手伝いをします
・子ども自身が言葉で伝える、手紙を書く、アドボケイトが代弁するなど、伝え方も子どもと話し合って決めます

問合せ:こども家庭保健課
【電話】214・4447【FAX】214・8610

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