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【さわやか健康】健康のしおり No.576

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宮城県名取市

■自宅で行う傷の初期対応。よく洗うのが一番大事!
名取つちやま皮膚科 土山 健一郎

傷は、怪我をしてできた傷、やけどでできた傷、または動物に咬まれてできた傷のように様々な原因で起こりますが、どの傷の場合も最初に行う大事なことは、よく洗って傷を清潔に保つことです。その次に大事なことは、ワセリンなどの傷を乾燥しないようにする軟膏を塗って傷の表面を乾かさないようにすることです。
皮下や筋肉、関節などに及ぶ傷でもなければ、感染しないようにして、さらに傷の表面を潤った状態で保てれば、たいていの傷は自然に治っていきます。
傷に一番よくないのは感染してしまうことであり、二番目によくないことは乾燥しすぎてしまうことです。ですので、傷の初期治療では、まず水道水などの大量の流水で傷を洗い流し(石鹸などの泡を一緒に使用してもよいです)、その後にワセリンを塗布して、通気性のあるガーゼで覆ってください。そしてガーゼは貼りっぱなしにせず、一日1回か2回は同じように洗ってワセリンを塗ってガーゼを貼り替えてください。この処置方法のよいところは、簡単であり、処置にかかる値段も安く、さらにほとんどの傷に同じ対応ができるので傷の状態が判断できない一般の方でも行えることです。
最近は、防水性の傷を密封するシートタイプの被覆材が市販されており、それを貼った状態で受診する患者さんが多いです。この密封するタイプの被覆材は、感染していない傷であればかなり高い治療効果が得られますが、感染がある傷の場合は密封して細菌を傷の中に閉じ込めてしまうことにより、内部で細菌が増殖してしまいます。汚れている傷や動物に咬まれた傷などの感染している傷にこの密封タイプの被覆材を貼ると、細菌が増えて化膿してしまいます。実際に化膿した患者さんをたくさん診てきました。
密封するタイプの被覆材を使用する場合は、傷が感染していないかどうかを見極める必要があり、これは医師でないと難しいと思います。傷の状態が判断できない一般の方は、わからないときは密封タイプの被覆材は使わずに、水道水で洗ってワセリンを塗って通気性のあるガーゼで覆った状態にして診療所や病院を早めに受診してください。

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