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ひとくち市史 ~みつけよう、なとりの歴史~

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宮城県名取市

◆第6回 謎が眠る熊野堂横穴墓群
横穴墓(よこあなぼ)は丘陵の斜面に横方向に穴をあけ、遺体を安置(あんち)する空間を造った墓です。九州地方から始まったと言われている横穴墓は古墳時代の終わりごろになると東北地方でもよく見られるようになります。
明治時代には、住居か墓かという議論がされましたが、人骨や古墳の副葬品と似ているものが出土していることから墓であることが明らかになりました。東北地方では横穴墓のことを「エゾ穴」と言い、大和朝廷の支配を受けなかった東北地方で「エミシ」と呼ばれていた人たちの住居とも考えられてきました。しかし、住居説は戦後、横穴墓の調査が増えることで、否定されるようになりました。
このような横穴墓は名取市にも多くあります。代表的な横穴墓は高舘丘陵の麓に造られた熊野堂横穴墓群です。調査では100基近く確認され、出土した遺物から7世紀~8世紀に造営()されていたと考えられます。須恵器(すえき)・土師器(はじき)・直刀(ちょくとう)・鉄鏃(てつぞく)(鉄の矢じり)といった古代の遺物はもちろん、鈴が付いた腕輪の鈴釧(すずしろ)など珍しいものも出土しました。
市史編さん室では、横穴墓と熊野堂横穴墓群の謎についての企画展「THE横穴墓わーるど―熊野堂横穴墓群の世界―」を7月7日(日)から9月22日(日)にかけて歴史民俗資料館で開催します。今回の「ひとくち市史」で取り上げたものの他に、出土した遺物などをより分かりやすく解説します。ぜひ、足をお運びください。

問合せ:市史編さん室
【電話】290-2090
【E-mail】shishi@city.natori.miyagi.jp

■なとり市史企画展(歴史民俗資料館第17回企画展)
「THE横穴墓わーるど―熊野堂横穴墓群の世界―」
名取の横穴墓をテーマとしたなとり市史企画展を開催します
日時:7月7日(日)~9月22日(日)
会場:歴史民俗資料館
入場料:無料

8月10日に歴史民俗資料館の体験学習室にて名取の横穴墓についてより詳しくお伝えする歴史講座も開催します。その他、展示解説や関連講演会もありますのでお楽しみに!

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