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自治体の皆さまへ

未来へつなぐ陸羽東線!(1)

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宮城県大崎市

■陸羽東線のあゆみ
JR陸羽東線は、遠田郡美里町の小牛田駅から山形県新庄市の新庄駅までを結ぶ地方ローカル線です。この路線には、駅名に「温泉」や「湯」と付く駅が6つあり、「奥の細道湯けむりライン」の愛称で親しまれています。
大正2年に小牛田駅-岩出山駅間の陸羽線が開業。その後、鳴子温泉駅(当時は鳴子駅)まで線路を延ばし、大正6年には、新庄線を編入し全線開通したことにより、「陸羽東線」に改称しました。令和9年には、全線開通110周年を迎えます。
路線距離は94.1キロメートル、駅の数は27駅で、そのうち約半数に当たる13駅が本市にあり、公共交通の基軸となっています

■陸羽東線の今
令和4年7月、JR東日本は1日当たりの平均通過人員が2千人未満だった路線を開示しました。この開示を受けて沿線自治体は、大きな衝撃を受けるとともに、存続の危機感を募らせました。本市を走る陸羽東線の「古川-鳴子温泉」や「鳴子温泉-最上」、「最上-新庄」の線区が該当しています。
1987年度の平均通過人員は「古川-鳴子温泉」間で2740人であり、現在の約4倍の乗車人数でした。(左表参照)
かつて通勤・通学などの生活路線、鳴子温泉郷や山形県方面への観光路線として、多くの人に利用されてきた陸羽東線であり、現在も必要とする利用者がいる一方で、人口減少や自家用車の普及による公共交通離れ、さらには新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかけ、存続の危機にさらされています。

■本市の取り組み
この状況を踏まえ、市民や沿線地域の皆さんと課題を共有し、陸羽東線再構築検討会議や地域懇談会を立ち上げ、利用促進に向けた検討を重ねてきました。
令和4年度末には、提案などを取りまとめた「陸羽東線の利活用促進に関する検討報告書」を作成しました。報告書では、令和7年度には平均通過人員千人の達成を目指し、最終目標として平均通過人員2千人の数値目標を掲げています。
「私たちの陸羽東線」として地域の鉄道を守り育てていく意識(マイレール意識)を高め、陸羽東線の存続に向けた目標を達成するために、市民・企業・行政がさまざまな視点から利用促進に取り組んでいます。

■陸羽東線における平均通過人員※の推移(人/ 日)

※1日1キロメートル当たりの平均乗車人数

■地域の宝・陸羽東線を未来へつなごう
▽公共交通通勤デーの実施
市では毎月2回、通勤時に鉄道やバスなどの公共交通機関を利用する「公共交通通勤デー」を実施しています。この取り組みを通して、公共交通機関を利用する意識を高めるとともに、地球環境への負担軽減を図っています。
令和5年9月29日には、一連の取り組みが評価され、「エコ通勤優良事業所」として大崎市役所が認証・登録されました。

▽存続に向けて
存続に向けた利用促進を継続して取り組んでいくとともに、宮城・山形両県の沿線自治体との連携強化も図っていきます。
存続の危機を乗り越えるためには、市民の皆さんの協力が欠かせません。普段は利用しない皆さんも、一度乗車してみませんか。年1回以上の乗車を目標に掲げ、「乗ろうよ!陸羽東線」を合言葉に、「地域の宝・陸羽東線」を未来へのレールへとつなぎましょう。

▽陸羽東線の利用啓発ロゴマークの作成
市では、利用促進を図るためロゴマークを作成しました。主催事業のポスターやチラシなどに掲載し、啓発に取り組んでいます。県や企業、各種団体などにも主催事業のポスターやチラシへの掲載に協力いただいており、広域的なPRにつながっています。
ロゴマークの使用申請は、まちづくり推進課(【電話】23-5069)で受け付けています。

▽地域・企業などの取り組み
行政だけでなく、陸羽東線存続に向けた取り組みの輪が地域や企業などにも広がっています。
・ロゴマークと「陸羽東線を応援しています」の言葉を添えた啓発品を配布
・研修事業などの行程を、マイカーやバスから陸羽東線を利用した内容に組み替えて実施
・駅の環境美化や駅前広場などを活用したイベントの開催によるにぎわいの創出

▽Interview
古川学園高等学校では、地方が抱えている問題を考える「公民探究」の一環として陸羽東線の課題を取り上げ、生徒たちは高校生ならではの視点から活性化策などについて探究してきました。
今回は、公民探究の授業を受けている生徒を代表して、普段から通学で陸羽東線を利用している古川学園高等学校2年遠藤健大(けんた)さんに、陸羽東線への想いを伺いました。

幼い頃に祖母と陸羽東線に乗って新庄まつりに行った思い出や、友人との会話を楽しみながら通学していることもあり、とても愛着を感じています。
陸羽東線が存続の危機にあると知ったときは、在学中に廃線になってしまったら、どうやって通学すればいいのか分からず、不安な気持ちになりました。
そのような中で、授業で陸羽東線の課題に向き合い、陸羽東線の大切さやなくなってほしくないという想いがより強くなりました。授業では、アニメとコラボレーションしたイベントの開催などによって、県内外からの乗客を増やす取り組みを考えました。活気に溢れ、みんなが楽しめる路線になってほしいです。
今後は、乗車している側の意見を伝えたり、イベントにボランティアとして参加するなど、陸羽東線を盛り上げる活動に積極的に参加していきたいです。

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