■誰もが住みやすい街に向けて
市内在住の女性に市政の仕組みや議会活動への理解を深めていただき、まちづくりにおける男女共同参画のさらなる推進をはかるため、本市では初めての「女性模擬議会」を10月14日に開催しました。市内で活躍している団体等から選出した8人に登壇いただき、市議会と同じ進行で一般質問を行い、渥美市長、志小田教育長と議論を交わしました。
本市では、平成29年に「東松島市男女共同参画基本計画」を策定し、市民の誰もが活躍することができるまちづくりに取り組んでいます。市第2次総合計画後期基本計画で「住み続けられ持続・発展する東松島市」、地方創生のトップランナーを目指すことを目標とした22の重点プロジェクトも進行中です。このような取り組みを進める中、女性模擬議員の方々にプロジェクトの中からテーマを選んでもらい、一般質問していただきました。本市の将来像について真剣に検討いただき、質問や提案を通じて誰もが安心して住み続けられる地域を考える機会となりました。
◆女性模擬議会議長 男女共同参画審議会会長 宮城学院女子大学
宮原育子(みやはらいくこ)教授
東松島市の女性模擬議会には、市男女共同参画審議会を代表し、模擬議会議長役として関わらせていただきました。
10月4日のリハーサルを経て開催された模擬議会当日は、傍聴席もほぼ満員で、市民の関心の高さがうかがえました。議長席から模擬議員の皆さんの様子を拝見していましたが、渥美市長や志小田教育長に対し、真剣な眼差しで質問をする姿や答弁にメモを取る姿は、とても頼もしく感じました。質問は、地域振興から保健福祉、子育て、学校教育に当事者意識を持っている方ならではの内容で、全員が課題解決に向けた具体的な提案をされたことは素晴らしいと思いました。渥美市長をはじめとする部局の方々の答弁も、具体的で前向きな内容でした。
今回は模擬議会とはいえ、現実の東松島市の様々な課題を議場の中で、皆が共有できた大変有意義な時間でした。模擬議会で女性模擬議員から出された様々な質問と提案や視点が、今後の東松島市の市政の中で生かされていくことを期待しています。
◆第1位 大崎早苗(おおさきさなえ)議員
『基幹産業としての農林水産業の活性化について』
Q.農業者人口が減少する中、本市でも積極的に県内外から移住する新規就農者の定住促進策が必要と考えます。青森県蓬田村では、移住新規農業者のためにトマトハウス団地を設置し、経営者としての早期定着を支援し、成果を上げているとのことです。本市としてもこのような農業者のための移住定住策があるか伺います。また、本市では農業関係の企業誘致が少ないような気がします。本市で生産された野菜や果物を使った製品を製造する工場の誘致を提案します。工場見学ができれば子どもたちの食育、観光客増加にもつながると考えますが、いかがでしょうか。
A.本市の基幹産業である農業分野において、持続可能な営農体制確立に向け、担い手の確保や育成は必要不可欠と考えています。農業の新たな担い手の移住定住策については、他の好事例を参考に検討します。企業の誘致についても子どもたちの食育や観光面の視点から、立地する食品関連企業の見学受入を働きかけるとともに食料品製造業を含めたものづくり企業の誘致を進めていきます。(市長)
◆第2位 阿部(あべ)ひろみ議員
『「滝山公園」の整備について』
Q.「滝山公園」を防災機能を備えた多目的公園に整備し、地域の資源を生かした観光の振興、子育て環境の充実、災害に強いまちにするため、道の駅完成後、滝山公園と道の駅を観光資源としてつなげ、人の流れをつくることで、賑わいを生み出すようなイベントを企画してはいかがでしょうか。また、公園に森林アスレチックやそり遊びなどの新たな遊具を充実させ、大型車も駐車できるような駐車場と多目的トイレが完備された明るいトイレの整備を提案します。
A.道の駅において滝山公園と連携したイベントを実施することについては、市内へ観光客を誘客する上でも効果的であり、今後検討したいと考えています。遊具の設置については、過去に長い滑り台を設置したものの安全対策上撤去した経緯があり難しく、大型車専用駐車場も過去に断念していました。トイレの整備は、中腹の駐車場に既設しているトイレが多目的化が可能か検討します。(市長)
◆第3位 吉木麻美(よしきあさみ)議員
『地方創生・人口減少プロジェクトに関して』
Q.本市に興味を抱く方を増やすためには「東松島ファン」を増やすことが最善と考えます。HP(ホームページ)だけでは受け身の情報発信となり、閲覧した方しか情報を得ることができません。市報でも様々な情報発信が行われていますが、情報発信の促進策について伺います。また、住民参加型のシティプロモーションやイベント参加などを通じて本市に愛着を持ち、全国各地の「東松島ファン」を増やし関係人口の拡大と移住定住促進につなげる独自の「関わりしろ」の仕組みを構築することを提案します。
A.近年、SNSによって情報を取得する方々が増えていることは承知しており、本市においても、今年4月に市公式LINE(ライン)アカウントを開設し、プッシュ型の情報提供に努めています。市商工観光課で開設しているインスタグラムなどとも連携しながら、多様な情報発信に努めます。移住定住促進策として本市ならではの「関わりしろ」の仕組みの構築についても検討していきます。(市長)
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