■「イートandイ~ナのご長寿安全大会」
~特殊詐欺被害ゼロを目指して~
近年、全国的な問題となっている特殊詐欺は、私たちの身近でも発生しており、その被害は年々拡大しています。特に、高齢者がその被害の標的にされるケースが多く、その背景は被害状況にも顕著に表れています。
そこで市は、特殊詐欺などの犯罪を未然に防ぐため、平成25年から「イートandイ~ナのご長寿安全大会」を開催し、老人クラブや各地区自治会の皆さんを対象に防犯啓発活動を実施しています。
“防犯意識はお茶の間から“というように、常日頃からそうした危険が身近に溢れていることを意識し、困った時は相談できる家族や身の回りの人、相談機関があることを再確認できる機会となっています。
■赤井小学校で110番教室
▽落ち着いてはっきりと
1月9日、赤井小学校では、「110番」の仕組みや正しいかけ方を学ぶ教室が開かれ、5・6年生児童44人が参加しました。講師は石巻警察署地域課の警察官6人。寸劇を交えながら、落ち着いて通報する重要性を伝えました。寸劇は、下校中の児童が不審者に襲われている所を別の児童が発見し、近くを歩いていた地域住民にスマートフォンを借り、110番通報をして現場の状況や犯人の特徴を伝える―という流れ。通報役は赤井小の児童が務め、その他は署員がふんしました。
地域課は「とにかく落ち着いてゆっくりはっきりと現場の状況を伝えることが大事。それが警察官の迅速、正確な行動につながる」と強調。その上で「一番は危険な所に行かず安全に過ごすことを心掛けてほしい」と話し、犯罪から身を守る「いか」ない、「の」らない、「お」おごえをだす、「す」ぐにげる、「し」らせるの頭文字を取った合言葉「いかのおすし」を紹介しました。
■インタビュー
石巻警察署 生活安全課 佐々木勇治(ささきゆうじ)課長
◆特殊詐欺が年々巧妙化
不審な連絡→相談徹底も
水際対策が必須
安全安心な暮らしを実現するためには、地域や県内、時に国内の犯罪情勢を把握することが大切です。県内では特殊詐欺による被害が依然として高い水準で推移しており、石巻警察署管内も例外ではありません。近年の特殊詐欺は一層巧妙化しており、一度電話に出てしまうとさまざまな情報を提示され、高齢者や若年層に限らず、40~50代でも正常な判断が出来ない状態になってしまいます。
このため、特殊詐欺への対応は、何よりも「水際対策」が重要となります。固定電話対策としては、「特殊詐欺撃退装置」の活用が最も効果的です。この装置は、電話をかけてきた際に、まず録音をする旨のガイダンスが流れます。詐欺グループは記録に残されることを嫌いますから、すぐに電話を切ります。このガイダンスが終了して初めて呼び出しが始まるため、装置設置者は不審電話があったことすら知らずに過ごすことができます。
最近ではこの装置が内蔵された固定電話も販売しており、外付けでも設置が可能です。また、購入費用の助成も県警で7千円、石巻地区防犯協会連合会で3千円で行っており、最大1万円の負担軽減が図れます。
デジタル端末の普及で、スマートフォンやパソコンに架空請求が寄せられることもあります。購入時にフィルタリングを設定いただくことはもちろん、その網をかいくぐるものもあるので、お金に関するものであれば、まずは周囲や警察に相談ください。有名企業を装い、ホームページまで再現しているものもあります。個人情報を打ち込むことも危険ですので、まずは相談を徹底してください。
▽宮城県内の特殊詐欺被害状況の推移
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