◆過去の災害を学ぶ意味と私たちの防災意識
平成20年岩手・宮城内陸地震から15年を迎えた本年、改めて防災について考えます。
●過去の出来事を今につなぐ
栗駒山麓ジオパークでは、100年前の災害から15年前の内陸地震、現在起きている災害、将来起こりうる災害と、自然災害について、さまざまな視点で発信しています。
過去の災害を振り返ることは、悲しい出来事を忘れず、被害を繰り返さないことにつながります。そのために、他の地域の事例も参考にすることで、栗原ではどのような被害が起きやすいのか、過去の人々はどのように対応し乗り越えてきたのかを想像し、解決の糸口を探しています。
私たちが栗原で営みを続けていくために、そして子どもたちが将来被害に遭わないために、過去の災害を通して大地がもつ特性を知り、どのような災害にも対応できるようになることが重要です。
●災害対策の変化
栗原市は、平成20年、平成23年、令和4年に震度6弱を超える地震を3度も経験しました。過去の災害を踏まえて市では地域防災計画を策定し、市民の防災力向上につなげています。
また、国が定める災害対策基本法第7条には、住民等の責務という項目があり、そこには自ら災害に備えるための手段を取ること、自発的な防災訓練や活動への参加、過去の災害から得られた教訓の伝承やその他の取り組みにより、防災に寄与するように努めなければならないとあります。平成29年度から自主防災組織を中心に、地区防災計画を策定し、自分たちの住む地区の特性に合わせた防災計画を立てることが推奨されています。
●近所の人たちが命を救った
内閣府防災白書では、平成7年阪神・淡路大震災で、生き埋めや閉じ込められた人々の救助主体が明らかになっています。自力で脱出した人の割合は約35パーセント、救助された割合は家族や友人・隣人が約60パーセント、救助隊1.7パーセントと、ほとんどの人は自分と家族、近隣の人の助けで命をつないでいます。
緊急時には、家屋の倒壊や斜面崩壊で救助車両が迅速にたどり着けないこともあります。災害時には周りの人と助け合うことが重要です。
●自分の身を自分で守るには
近年、情報技術が発達し、私たちは、さまざまな災害情報を手軽に得られるようになってきました。総務省情報通信白書によれば、平成30年7月豪雨の時に被災者が一番頼りにした情報源は、親しい人からのメッセージや電話という結果が出ています。
私たち自身が災害に対する知識や技術を身につけることは、正しい情報を取得することにつながります。それは、結果として周りの人たちを救うことが分かる事例です。
家具の固定や食料・飲料水の備蓄、家の周りの被災しやすい場所を共有するなどの防災対策は、日ごろからできることです。そして、災害時に正しい情報を得ること、隣近所と協力して救助活動を行うことが、災害でけがや命を落とす確率を減らし、他の人の命も救う行動に結びつきます。
ジオパーク活動を通して、過去の災害や自然について知り、ぜひ、防災活動の助けとしてください。
問い合わせ先:ジオパーク推進室
【電話】24-8836
【FAX】45-5936
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