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市長だより Vol.47

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宮城県角田市

郷土資料館に漆黒の重厚な「長持(ながもち)」が展示されています。特別展「姫さまの暮らしとお道具」の目玉の1つで、姉妹都市である北海道栗山町から150年ぶりに里帰りした「雪薄紋蒔絵(ゆきすすきもんまきえ)長持」です。この長持は、幕末の石川家家臣で明治初期に北海道に渡り栗山町を拓いた泉麟太郎翁の住まい(栗山町開拓記念館内)に保管されているものです。翁たちが角田から持参した現存する品の中で、伊達家一門筆頭の流れを証明する貴重な「栗山町の宝」です。
先月、栗山町を訪れ借用の御礼を申し上げた際に、町長と議長から「角田に行くと歴史を感じる。栗山は百年余りの歴史の浅い町です」とお話があり、「栗山の歴史は角田の歴史の上に築かれたもの。悠久の時の流れを感じずにはいられません」とお答えしました。
激動の明治時代に翻弄(ほんろう)されながらも、石川家の誇りと命運をかけて極寒の北の大地に踏み入り、原野を切り拓き、しっかりと根を下ろしていった歴史は非常に濃密で、開拓精神に溢れたものに違いありません。開拓記念館で歴史に触れ、栗山の広大な田畑を眺望したとき、その偉業に強く心を動かされました。
展示されている長持には、姫さまのお宝の代わりに、栗山町の宝である歴史が詰まっています。

角田市長 黒須 貫

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