私たちの日常になくてはならない自動車や自転車も、ささいなきっかけで誰かの命を奪う凶器になってしまいます。交通事故を未然に防ぐためにもドライバー、歩行者問わず、一人一人ができることを考えましょう。
■えびの市の現状
令和5年の交通事故(人身事故)発生件数は、例年に比べると少ない状況でしたが、うち1件は死亡事故でした。しかし、令和6年8月31日時点の状況を見ると、発生件数、負傷者数、死者数の全てが昨年より増加し、24件中15件が脇見運転や動静不注視が原因の事故となっています。
事故の内容は、令和5年の事故発生件数24件のうち、車両同士による追突事故が10件、出合い頭での事故が4件と、半数以上を占めています(宮崎県警察本部交通企画課「交通月報」より)。その他は、右左折時の事故や人対車両の事故などが発生しています。
第一当事者を年代別で見ると、65歳以上が41・6%と多くを占め、次いで20代が16・7%となっています。自家用車が移動手段として必要な中で、運転免許の返納が難しい高齢者が多く存在することや、車の運転期間が短く、運転技術が未熟であることが原因として考えられます。そのため、日頃から交通安全の意識を高めていくなどの対策が求められています。
参照:宮崎県警察本部交通企画課「交通月報」
▽えびの市第一当事者※年代別事故発生状況(令和5年)
※交通事故の当事者の中で、一番過失が重い人
参照:宮崎県警察本部交通企画課「交通月報」
■interview えびの警察署地域交通課 濱田誠課長
えびの市内の交通事故の発生件数は、令和5年の15件に比べ、令和6年は24件と増加傾向にあります(8月31日時点)。また、24件のうち23件は高齢者が関わっています。事故の要因は、ベテランドライバーに限らず、慣れや油断、安全確認不足によるものです。また、今年に入ってから死亡事故も発生していて、いずれも夜間の交通事故です。
10月から12月は、視界が不明瞭になる日暮れの事故が多発します。ドライバーは、早めにライトを点灯し、夜間は特に気を付けて運転しましょう。また、歩行者は、反射材等を着用して自分の身を守るようにしましょう。
警察署としても、交通教室での手上げ横断の指導や公民館ごとの講話、道路上にゾーン30プラスを設置して、速度制限を面で分かりやすく伝えるなどの取り組みを行っています。市民の皆さん一人一人が交通安全を意識し、交通事故のないえびの市を目指しましょう。
■交通事故防止の取り組み
▽交通安全街頭キャンペーン
年4回、えびの地区交通安全協会やさまざまな団体が連携して、街頭キャンペーンを行っています。交通安全の啓発チラシを配るなどして、安全運転を呼びかけています。
▽カーブミラー清掃
毎年、えびの市交通指導員会が、市内のカーブミラーの清掃を行っています。汚れが付着したミラーを丁寧に磨き、ドライバーが見やすくなるようにしています。
■事故を防ぐためにできること
▽ドライバー・歩行者 横断歩道での注意点
横断歩道での歩行者優先は、マナーではなくルールです。ドライバーは、横断歩道を渡ろうとしている人がいるときは、一時停止しなければなりません。
また、歩行者も横断歩道を渡る際には手を挙げるなど、ドライバーに横断する意思を明確に伝えるようにしましょう。
令和3年6月から、えびの郵便局前にモデル横断歩道が設置してあります。これは、特に注意してほしい場所として、紅白の横断歩道となっています。しかし、減速が不十分な車もあることから、歩行者も横断する前に車が来ていないかの安全確認をすることが大切です。
▽歩行者 交通安全グッズを活用
例年、秋や冬の夕暮れ時、夜間に交通事故が多く発生しています。交通事故に巻き込まれないためにも、反射材などの交通安全グッズを活用してドライバーから見えやすくすることが大切です。反射材には、たすきや手首・足首のバンド、キーホルダーなどさまざまな物があります。
反射材を身に着けることで、ドライバーに自分の存在を早めに知らせることができます。外出するときは、明るい服装を心がけ、反射材などの交通安全グッズを活用しましょう。
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