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特集 子どもの成長について考える 成長の糧(かて) -1

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宮崎県三股町

さまざまな体験が、子どもたちの成長の糧となる―。
「体験の機会」次第では、私たちの想像以上に子どもたちは大きな成長を遂げます。
そして子どもの成長は、私たち大人の成長の糧となるのです。

生まれて初めて何かを食べたとき、初めて本を読んだとき、初めてスポーツをしたとき、初めて博物館や水族館に行ったとき―。
その時々、私たちは保護者、祖父母、先生や地域の人など、大人が提供してくれた“場”で、初めての体験をしたはずです。そのような体験一つ一つを積み重ねて大人になった私たちは、それぞれの体験から得た異なる知識や価値観をもとに人生の岐路で道を選択し、今ここに私たち自身が存在しているのです。
現在、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わってきています。今を生きる子どもたちが大きく成長するためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
今回は、子どもたちの「体験」に主眼をおき、町内外の調査データや、子どもたちに体験の場を提供する大人たちの姿、思いを紹介します。そして、体験を通して子どもたちが大きく成長していくために私たちに何ができるのかを考えていきます。

大人である私たちに何ができるのかを考える際に重要なこと。それは、数十年前の子どもたち(私たち)と、今の子どもたちとでは、子どもを取り巻く環境が異なるということです。
例えば、私たちが受けてきた教育。子どもの頃、当たり前のように、黒板や、ノート・プリントなどの「紙」を使った授業を受けてきましたが、今の子どもたちは黒板や紙だけでなく、大型モニターや、タブレットなどのICT技術を活用した教育を受けています。
また、私たちは子どもの頃テレビや書籍などでさまざまな情報を入手してきましたが、今の子どもたちは、それらに加えてインターネットを利用して情報を入手しています。
さらに、昨今の気候変動により、以前は日中の最高気温が30度程度だったにもかかわらず、今では午前中から30度を超える日もあり、屋外で遊ぶことが危険なほどの暑さに見舞われることもあります。
このように、今の子どもたちを取り巻く環境は以前と異なり、私たちとは異なる体験をしているのです。
まずは、現在子育て中の家族に、今と昔の子どもたちの環境の違いや、子育てに対する親自身の思いを聞きました。

◆INTERVIEW
山王原地区在住の徳重さん一家。徳重和樹(とくしげかずき)さん(34歳)、鈴菜(すずな)さん(33歳)三股小学校に通う樹里翔(きりと)さん(小4)、陽菜翔(ひなと)さん(小4)、夢蘭(ゆらん)さん(小1)と翔蘭(しょうらん)さん(3歳)の6人家族です。

○今の学校教育、昔の学校教育
「ほかの児童がぶつかってしまい、息子さんにけがを負わせてしまいました…。」
「息子さんの消しゴムがなくなったみたいで…。今、クラスでその件について話し合いをしていますので…。」
いずれも、母・鈴菜さんが実際に受けた、小学校の先生からの電話でした。
「こんな些細なことで電話してくれるんだ…」と驚いた鈴菜さんは、自身の母親に「私が子どもの頃、そういう連絡あった?」と聞いてみたところ、当時はなかったようです。
授業の進め方にも変化が見られます。樹里翔さんと陽菜翔さんは、学校では黒板やプリントだけでなくタブレットや大型モニターを使用した授業を受けているそう。文字の入力はローマ字の知識が必要な入力方法ですが、3年生の時にローマ字を学習したため、「簡単」なのだそうです。今の子どもたちにとっては、特別なことではないのでしょうが、私たち大人にとっては、時代が変わったと感じる人も多いのではないでしょうか。

○子どもの成長が何よりうれしい!
「自分の教育が正しいか、いつも自分に問いかけてます。」と話す父・和樹さん。息子の樹里翔さんと陽菜翔さんは、現在ドッヂボールとサッカーを習っています。
「人前に出ることが苦手な子たちだったので、人前に出るチャンスがあるとき『(あなたが)前に出て話しなさい』と背中を押し続けてきました。今では樹里翔が4年生以下のキャプテンになるほどに成長しました。二人とも、スポーツを始めてから足も速くなりましたし、負けん気も身につきました。心も体も成長してくれたことが、本当にうれしかったです」と話し、子どもたちに目を向けました。
子どもたちが、体験を通して成長する。そして、実はその過程で、大人もさまざまな学びを得ているのではないか。時に悩み、時に喜びを感じながら子育てに励む和樹さんの姿に、その可能性を見出しました。

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