文字サイズ
自治体の皆さまへ

特集 子どもの成長について考える 成長の糧(かて) -2

2/35

宮崎県三股町

【成長の糧は、何か】

◆いつの時代も変わらない、大切なこと
私たちの子ども時代とは異なる環境で今を生きる子どもたち。そんな子どもたちを前に、「自分が子どもの頃に楽しんだものを教えて、果たして楽しんでくれるのだろうか」と、不安になる人もいるかもしれません。何が正しいのか、保護者という立場でも、地域の人という立場であっても、子どもと接するときについ考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし、国立青少年教育振興機構による「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)報告書」によると、子どもの頃のさまざまな体験が、その後の成長に大きく影響すること、自然や文化などに触れる体験などが重要であることが示唆されています。成長に必要な体験は、時代と共に大きく変化するものではないようです。

◆さまざまな体験が糧になる
本紙5ページ1~4のグラフに示す調査結果によると、「自然体験」(調査では、「野鳥を見たり、鳴く声を聞いたこと」や「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」などの項目を選択肢としている)が多い子どもほど自己肯定感や探求力が高いことが分かります。また、「映画館などで文化芸術を直接観たり聴いたりしたこと」が多い子どもも同様の傾向が見られます。
「子どもの頃、よくバッタを追いかけていたなぁ」や、「親に、映画館に連れて行ってもらったなぁ」といった、私たちの、今となっては懐かしい思い出が、実は私たちの礎となった、重要な体験だったのかもしれません。
都心部に住む子どもであれば、映画館、博物館や美術館だけでも非常に多くの施設・選択肢がありますが、本町には、それらの施設はありません。その意味では文化芸術に触れられる機会はそう多くありません。
しかし、このまちには唯一無二の伝統芸能が数多く残り、伝承する人がいます。先代から受け継いだ技術で一流の伝統工芸品を作る人がいます。そして、鰐塚山系から流れる渓流が作り出す風景美があり、その水を使った豊かな農産物があります。
このように、このまちには、このまちにしかない文化芸術があり、自然環境があるのです。
では、このまちに、それらを生かした体験の場は十分あるのでしょうか。
町が行った調査をもとに考えていきます。

◆遊びや体験の場は?
グラフ5によると、76・9%の認定こども園・保育所が「新しいことに好奇心をもてる子ども」が増えたと回答しています。
しかし、グラフ6を見ると、「あなたのまわりには、こどもや若者の遊びや体験活動の機会や場が十分にあると思いますか」との問いに、「(3)どちらかというとそう思わない」、「(4)そう思わない」と回答した人が合わせて54・8%にのぼり、半数以上の人が十分ではないと感じているようです。あくまでも、グラフ5は町内の認定こども園、保育所からの調査結果、グラフ6は15~49歳の町民からの調査結果であるため単純に並べることはできませんが、「子どもたちの好奇心が強くなっているのに、遊びや体験の場が十分ではない」とすれば、子どもたちの成長に関わる重大な問題です。
しかし、このまちにはボランティアとして、または職業人として、子どもたちに体験や学びの場を提供する人たちがいます。

(1)自然体験と自己肯定感の関係(小4~小6、中2、高2)

(2)映画館などで文化芸術を直接観たり聞いたりしたことと自己肯定感の関係(小4~小6、中2、高2)

(3)自然体験と探求力の関係(小4~小6、中2、高2)

(4)映画館などで文化芸術を直接観たり聞いたりしたことと探究力の関係(小4~小6、中2、高2)

※(1)~(4)のグラフは、国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)報告書」をもとに、三股町作成。

(5)「最近10年間での子どもの育ちの変化」

n=13、本町にある認定こども園、保育所が対象
(5)のグラフは「第2期三股町子ども・子育て支援事業計画第2期三股町次世代育成支援行動計画(後期計画)」をもとに作成。

(6)「『あなたのまわりには、こどもや若者の遊びや体験活動の機会や場が十分にある』と思いますか。」
(1)そう思う
(2)どちらかというとそう思う
(3)どちらかというとそう思わない
(4)そう思わない
(5)わからない
(6)無回答

(6)のグラフは、三股町「三股町子ども・子育て支援に関するニーズ調査報告書」をもとに作成。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU