私たちが健やかに生活するために必要な「食」。その正体を暴くため、一人の探偵が立ち上がりました。
時は令和。多様性の名の下に、さまざまな生活スタイルが生まれています。「食」もその一つ…。多様性は時に、「差」を生み出します。自身の健康に気を配っている人や気を配る余裕がある人と、そうでない人。両者の間には、年齢を重ねた時に「差」が生まれている可能性があります。
この物語は、解き明かされる真実を基に私たちの生活を顧みることができるかもしれない、「広報ミステリー」です。
■発端
三食小学校に通う小学2年生のコウホウくん。彼は、学校中の誰もが認める名探偵で、クラスメイトからの数々の相談に乗り、その原因を究明、解決してきました。そんなコウホウくんに、相談のお手紙が届きました。そこには…
「勉強に集中できないからか、テストでいい点をとれません。あと、バレーボールの試合でも、もっと上手くプレーできるはずなのに自分の力を発揮できません。原因を調査してください。(4年1組 朝梨珠三(あさなしたまみ)より)」
との相談が書いてありました。
早速コウホウくんは、珠三さんの相談について解決すべく、珠三さんの日々の生活について、聴いてみることにしました。
名探偵コウホウが推理します!
■初動
コウホウ:「珠三さん、まずはあなたの生活に原因がないか考えてみるね。とりあえず、昨日の朝起きてから夜寝るまでのことを教えてくれるかな?」
珠三:「うん、わかった。まずは朝6時頃に起きて、家族に『おはよう』って言って、『行ってきます』って言って、急いで着替えて学校に行ったよ。学校についたら朝の会があって、そのあと授業を受けたよ。給食はカレーライスで、とてもおいしかった!三食小学校の給食はいつもおいしくて、残さず食べているんだ~」
コウホウ:「それから?」
珠三:「午後は授業が2つあって、帰りの会でみんなに『さようなら』って言って、家に帰ったよ。家では宿題をして、お風呂に入って、夕飯を食べて、家族に『おやすみなさい』って言って、夜9時頃に寝たよ」
その後も、コウホウくんは珠三さんに学校生活や家庭のこと、授業や宿題などの勉強に関すること、バレーボールの練習や試合に関することについて、いろいろと質問をしました。
コウホウ:「(フムフム…何も不審な点はない、普通の生活だなぁ…)珠三さんの生活、教えてくれてありがとう。せっかくぼくに相談してくれたんだもんね、珠三さんの悩み、僕が解決するから、少し時間をちょうだい!」
珠三:「わかった、相談に乗ってくれてありがとう!」
■仮説
珠三さんの生活について話を聴いたコウホウくん。珠三さんの生活には、何も不審な点はないように感じました。
コウホウ:「何も不審な点はないように感じたけれど、きっと何か、そう、きっと何か原因があるんだ!その原因はゼッタイにぼくが見つけるんだ!」
やる気が出てきたコウホウくん。試しに、珠三さんの生活と、自分の生活を比べてみることにしました。
コウホウ:「ぼくも、朝起きたら家族に『おはよう』と声をかけるな。わが家はみんなで朝食を食べるのがお決まりだから、みんなで朝寝坊の弟を起こしに行く。朝食を食べて、『行ってきます』と声をかけ、学校に行く。ここまでは、彼女と同じようだな」
コウホウ:「学校生活はみんな似たようなものだから、いったん保留っと。家に帰って、まずは宿題を終わらせて、家族と夕飯を食べて、お風呂に入る。あとは寝るだけだ…お風呂と夕飯の順番が彼女とは逆だけど、そこはあまり関係なさそうだな」
珠三さんと自分の生活を比べてみても、何もヒントを得られなかったコウホウくん。そんな彼は、最近お母さんが料理教室に通い始めたことを思い出しました。
コウホウ:「お母さんの料理はすごくおいしいのに、なんで料理教室に通っているんだろう…そういえば『少しでも栄養のある料理をつくって、コウホウたちが元気に過ごせるようにしたいのよ』と言っていた!もしかして食事って、ぼくが思っている以上に大切なのかもしれない!」
コウホウくんは、図書館に行って食事の大切さに関する本を読んでみました。するとそこには、おもしろいグラフがありました。
(1)朝食を食べる頻度
問:「あなたは、ふだん朝食を食べますか」
(2)栄養バランスに配慮した食生活
問:「主食(ごはん、パン、麺など)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品などを使ったメインの料理)・副菜(野菜・きのこ・いも・海藻などを使った小鉢・小皿の料理)を3つそろえて食べることが1日に2回以上あるのは、週に何日ありますか」
出典「食育に関する意識調査報告書」(令和6年3月農林水産省)
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