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自治体の皆さまへ

私たちにできること。(2)

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宮崎県三股町

【見守る】
◆みまもりたい
オレンジ色の帽子をかぶり、交差点や横断歩道に立って子どもたちを見守る大人たち。登下校時間に合わせて通学路に立ち、防犯・交通安全のため、暑い日も、寒い日も、雨の日も活動しています。平成13年、大阪府池田市で8人の児童が犠牲となる事件が発生。全国的に子どもの安全の確保が求められ始めた時代に、みまもりたいの活動は始まりました。
みまもり〝隊〟ではなく、ひらがな表記なのは、「子どもたちを自分たちで、地域みんなでみまもり〝たい〟(願望)から、ひらがな表記にしている」とも言われています。今回は勝岡小学校区で活動する「みまもりたい」の皆さんに話を聞いてみました。

○地域ぐるみの見守り活動
福島雅彦(ふくしままさひこ)さん
正ヶ峯征男(しょうがみねゆくお)さん
下村勉(しもむらつとむ)さん

「私たちが毎日接する子どもたちは、本当に元気よく、気持ちのいいあいさつをしてくれますね。そうでない子も、中にはいますが…」との言葉に間髪入れず、「そりゃあ、子どもだって機嫌の悪い日もあるじゃないですか、当然ですよ」と笑いながら掛け合うメンバーの皆さん。
元気の良さゆえにけがをしてしまう子もいるため、カットバンなどを携帯しているという正ヶ峯さんは、設立当時からのメンバーで、数多くの子どもたちを見守ってきました。「じゃんけんをすると言って聞かない子どももいるんですよ。子どもはかわいいですよ、そしておもしろい」と満面の笑みを見せます。代表の福島さんは「いつもより元気のない子どもを見つけると、何気なく『ご飯食べた?』とか『靴ひも、ほどけてるよ』と声をかけて、様子を見守ることもあります」と話しました。下村さんは「地域の保護者たちと連絡を取り合うSNSのグループがあって、雨の日は『今日は車で送迎します』と保護者から連絡が来るんです。そんな連絡を受けて、どの子どもが最後の一人かがだいたい分かるので、本当にありがたいですね」と話します。あれやこれやと、活動中の子どもたちとのさまざまなエピソードは尽きることがありません。
子どもたちとその保護者との信頼関係があるからこそ、子どもの機微に気付くことができるのでしょう。
そこには、子どもの安全・無事を思う、優しい眼差しで見守る地域の大人たちの姿がありました。

【寄り添う】
◆子育て支援センター(町社会福祉協議会内)
町総合福祉センター「元気の杜」の一角にある「子育て支援センター」。そこは、保護者や子どもたちの笑顔であふれています。
床には柔らかいマットが敷かれ、天井からは飾り物が下がっています。そして、南向きの窓からは、心地よい日差しが入り込みます。そんな空間では、初めて出会う子ども同士が遊んでいたり、自分の親ではない大人と遊ぶ子どもの姿や大人同士で子育ての悩みを相談し合う姿があります。育児や健康といった育児中の相談事など幅広い内容を福祉課や町健康管理センターの保健師などと密な連携を取って対応する子育てに寄り添う当センター。スタッフである出水光代さんに話を聞きました。

○つながりを生み育てる空間
職員 出水光代(でみずみつよ)さん
広報担当に一通のメールを送ってくれた出水さん。広報みまたに掲載された、ある写真を見て「小さかった頃、センターを利用していたお子さんです。懐かしく、また、成長した姿を見られてうれしかったです。ありがとうございました」との内容でした。そんな出水さんは、平成19年から当センターで勤務し、数多くの子どもや保護者と接してきました。
「センターで一緒に遊んでいる子どもたちは、別々の小学校に入学することも多いです。でもそんな子ども同士が、中学生になった時、偶然クラスや部活動が一緒になった、という話を聞くことがあります。大きくなってからも続く、なんだか温かいつながりもここは生んでいるんですよね」とほほ笑む出水さん。
当センターには、1日5組程度の親子が訪れるといいます。家では子どもと二人きりの時間が長く、気晴らしも兼ねて来る人や、入園前にほかの子どもたちと触れ合う経験をさせてあげたい人など、訪れる理由はさまざまです。センターで出会う親同士がコミュニケーションを取ることで、子育ての新たな視点を見出す親もいるといいます。
ここは、ただの“施設”ではなく人と人とのつながりを生み育てる“空間”であり、人と人とが“つながる”ことの価値を知る空間。そんな居心地の良さを求める利用者、そして、本町の“子育て”に寄り添う出水さんのようなスタッフたちが、この空間を作り上げてきたのでしょう。

○利用者 中西奈緒子(なかにしなおこ)さん、(子)由萌(ゆめ)さん(稗田在住)
子育て支援センターで行われるイベントには、なるべく参加するようにしています。別のお子さんや保護者と出会うことで娘が新たな一面を見せたり、入園前にほかの子どもや大人たちと触れ合える、貴重な機会となっています。さらに、大人同士のコミュニケーションを取ることで情報交換ができたり、ほかのお子さんを見ることで「娘もこんな時期があったなぁ」などと、わが子の成長を感じられるのもうれしいです。

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