■猟友会って?
新富町では近年、サルやイノシシなどが農作物を荒らす被害が後を絶ちません。被害のあった農家は皆深刻な表情を浮かべ、「どうにかならないか?」と役場への相談が寄せられます。
そんな農家を守るため、猟銃・わなを使用して有害鳥獣の駆除を担い、仲間と狩猟を楽しむ団体。それがこの記事で特集する“猟友会”です。
新富町の猟友会を代表して会長から、今後の猟友会に対する熱い思いもいただきました。
◇新富町猟友会の現状
新富町猟友会は30名在籍しており、富田・新田・上新田の3班で編成されています。
70歳以上の方々が中心となり、9割以上の方が本業とは別の“二刀流”として猟友会活動をしています。
全国的にも高齢化が懸念されている猟友会ですが、新富町猟友会においても若年者が極めて少ない現状です。(20代…1名・30代…3名)
◇猟友会の報酬
1年間の活動実績から、実働費や駆除費、弾丸代等が行政機関から交付されます。
・例えば1年間にサルを5匹捕獲した場合
交付金が8,000円、町の補助金として22,000円が出ますので、3万円/匹×5匹=15万円が駆除費として支払われます。その他イノシシやシカ、アナグマ、カラスの駆除費もあります。
猟友会の活動は、猟銃やわな、猟犬を駆使しパトロールから駆除までを行います。
兼業で狩りをする方が多いため、主に週末に参加できるメンバーで実施しています。
■会長 黒木章さんの思い
・10年後の新富町猟友会は
私は猟友会に27年在籍しており、イノシシ・シカを数多く捕獲してきました。今では会長として新富町猟友会の総括をしています。
新富町猟友会は現在30名在籍し、来年には数名が免許返納の意向を示しています。10年後の猟友会を考えると、10名を下回るかもしれません。そうなると、新富町内のサルやイノシシの個体数が増え、農地の被害や人的被害が増えてくるのではないかと思います。「農家と役場が困り、新富町の農業が衰退していく未来に。」そんな不安を払拭するためにも、若手の狩猟免許取得者が増えてくれたらと願うばかりです。
狩猟は昔からスポーツとして親しまれ普及しました。今ではオリンピック競技としての射撃に注目が高まってきています。「ぜひ免許を取って狩猟の楽しさを堪能してほしい。」と町内の若者たちに心の底から言って回りたいほどです。
■狩りの魅力は猟友会でしか味わえない
狩りの魅力は何といっても、銃で仕留めた時の達成感です。身の危険と隣り合わせの緊迫の中、獲物が目の前に現れた時、引き金を引き「ズドン!」と仕留める瞬間は圧巻です。生き物の命を頂き、自然の恵みを重んじる事は、身近な生活では経験できない魅力的なものです。
ぜひ、猟友会に入って一緒にその感覚を味わってほしいものです。また、女性の狩猟者(通称:狩りガール)も大歓迎です。
■サルによる深刻な被害
特に新富町では甘藷農家のサル・イノシシ被害が著しく、電気柵を設置する方が近年増加しています。※購入補助があります。
■役場ができること
・産業振興課 担当 黒木拓弥
農家から被害の連絡があった際には、現地へすぐに足を運び、積極的に情報収集を行っています。
対話の中では、(1)被害状況の把握(2)農家の要望(3)爆音機や箱わなの貸出提案を必ず行うようにしています。被害のあった皆さんは作物の管理に必死であるため、即時に猟友会へ現場の情報を共有しています。
今後は担当者である私自身が狩猟免許を取得し、実際に有害鳥獣を捕獲することで、最前線での地域貢献も考えています。町民の安心安全につなげるための新たな有害鳥獣対策を取り入れていきます。
■新富町では、猟銃・わなの免許(狩猟免許)取得に係る経費の約半分を補助します。
補助金を受けるには、いくつかの条件があります。狩猟免許に興味を持たれた方は、流れをご説明します。
※電気柵や爆音機の購入補助も行っています。事前申請が必要ですので、産業振興課までご連絡ください。
問合せ:新富町役場 産業振興課 担当/黒木
【電話】0983-33-6034
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