令和6年元日、能登半島地震が発生し、甚大な被害が生じました。今回の地震が新たに備えるべき教訓を示唆しているわけではありませんが、自治体として備えておくべき事項を改めて認識する災害となりました。市民の皆さんも今一度、南海トラフ地震への備えを考える大切な機会としていただきたいと思います。
■強い揺れへの対応
1.家屋の倒壊や損壊震
度7の激しい地震では、全くの無傷で耐え抜く建物は極めて少ないでしょう。今回の地震では一部損傷を含めると4万棟を超える建物に被害が及んでいます。築年数の長い住居にお住まいの方は、一度耐震診断を受けてみてはいかがでしょうか。
2.家屋内の耐震化
発災直後被災者のSNSへの投稿に家具の転倒防止の「つっかえ棒」が大きな揺れで折れながらも転倒を防ぎ、命を守ってくれた事例がありました。他人事と思わずこれらの転倒防止器具を設置しましょう。
3.火気の取り扱い
今回の地震では、朝市で有名な輪島地区が火災により焼失してしまいました。激しい揺れの最中に家電品や暖房器具の操作はできません。火の始末は「揺れが収まってから」が原則です。まずは身の安全を考えて行動しましょう。
4.津波からの避難
能登半島地震では、地震の発生後数分で津波が到達したようです。南海トラフ地震では、最も強い地震が最も近い震源域で発生した場合、地震発生から14分後に津波が到達する想定になっています。
強い地震は長く揺れます。数分間の地震動の後、家具や落下物の散乱した屋内から脱出しての避難となり、倒れた家具や割れたガラスなどでけがをすると避難そのものが困難になります。そのため、家屋内の耐震化を実施しましょう。
■長引く避難生活への対応
1.備蓄
特別な備蓄品を大量に買い込んで保管しても、期限が切れ劣化します。備蓄で大切なことは「日頃使っている食材」を少し多めに準備しておくことです。使った分を買い足して常に数日分の食料がある状態を維持しましょう。
2.ライフラインの被害
電気の復旧までには1週間から10日程かかると考えその期間を耐え抜く準備が必要です。また、上水道の復旧には、さらに時間が必要です。自治体や救助機関などによる生活用水の配分までには、数日かかります。「飲み水」だけではなく「生活用水」の備蓄にも気を付けましょう。また、できるだけ水を使わない生活の方法も日頃から考えておきましょう。
もう一つ備えておかなければいけないのが「トイレ」問題です。自宅に大きな被害がなくても上下水道が使えなければトイレ問題は発生します。ホームセンターなどで販売している簡易トイレなどを備えておくことをお勧めします。
■災害への備えで重要なこと
災害が発生したら、まず何をして次に何をするという予定を作っておきましょう。それに基づいて必要な物をそろえると良いでしょう。また、隣近所や地域での協力がなければ乗り切ることのできないのが災害です。日頃からお互いに協力できるような関係を構築してその時に備えましょう。
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