北郷診療所所長の漆野雄太です。
今回は花粉症についてお話しさせていただきます。
■花粉症とは
樹木や草花の花粉が原因となって、鼻水やくしゃみ、目のかゆみ、のどの痛みといった、さまざまなアレルギー症状を起こす病気です。花粉症の原因ではスギやヒノキが有名で特にスギが原因の花粉症は全体の7割を占めますが、他にイネやヨモギ、ブタクサなど数十種類の植物が原因となり、1年を通して花粉症の症状が見られる患者さんがおられます。
花粉症の症状は花粉の飛散時期にみられ、その時期に花粉の体内侵入を予防する行動や適切な治療を受けることが症状を悪化させないために重要です。
■予防のポイント
体内に侵入する花粉の量を減らすことが重要です。花粉の飛散量が多い朝や夕方は、外出を避けるようにしましょう。
外出する際はマスクやメガネをつけることで鼻や目から入る花粉の量を減らすことができます。ウールなどの花粉が付着しやすい衣類は避け、綿・ポリエステルなど花粉が付着しにくい衣類を選びましょう。帽子を被ることも有効です。
帰宅の際には家の中に持ち込まないよう玄関で花粉を払い、すぐに着替え顔など露出した部分を洗い流しましょう。目や鼻は水道水で洗うと塩素などのために傷ついてしまうことがあるので市販の生理食塩水を使用するようにしてください。
■治療について
治療には薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法があります。
薬物療法は内服薬、点鼻薬、点眼薬を用いて患者さんの症状緩和を行います。アレルゲン免疫療法はアレルギー反応を弱める治療で、手術療法は薬物療法で症状緩和が十分にできない時に耳鼻科等で行われます。
花粉の飛散する2週ほど前や症状が出始めた頃に症状を抑える薬を始める「初期療法」が悪化の抑制に有効です。宮崎県は2月上旬からスギ花粉の飛散が増えると言われています。薬物療法については町内3医療機関でも対応可能ですので気軽にご相談ください。
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