美郷町国民健康保険西郷病院内科の北條健人です。今回は救急救命についてのお話です。
傷病者の命を救い社会復帰に導くための必要な行為の一連を救命の連鎖と言います。救命の連鎖は(1)心停止の予防(2)早期認知と通報(3)一次救命処置(4)二次救命処置と心拍再開後の集中治療から成り立ち、特に2つ目の輪と3つ目の輪は救急車を待つのではなく現場に居合わせた皆さんにより行われることが、行わなかったときより生存率が高く、また素早いAEDの使用により、生存率や社会復帰率が高いことがわかっています。美郷町の救急隊(日本救急システム(株))は非常にレベルも高く、病院とも連携を取りながら救命率を少しでも上げることができるよう日々努力をしてくれています。現場に居合わせた「町民」みなさんから「救急隊」~「医師」へ命のバトンを引き継いでください。
■町民でもできる救急蘇生法
Q1.救急車が到着するまでにできることは何ですか?
傷病者の状態が、意識もなく、呼吸や心臓の動き(脈拍)が止まっていたり、物が喉につかえる窒息状態であったなら、直ちに心肺蘇生法や異物の除去等の応急手当を開始する必要があります。傷病者の状態が比較的安定しているのであればそれ以上悪化させないような応急の手当をしたうえで、余裕があれば、診察券や処方されている薬(お薬手帳でも可)を事前に準備しておくとよいでしょう。また、家族等が、家の前や、大きな通りまで出て、救急車に合図をするなど、誘導をしていただくと救急隊がスムーズに現場に到着することができます。
Q2.AEDとはなんですか?
これまで、AEDの使用は、医師、看護師及び救急救命士の医療従事者に限られていました。しかし、より救命の効果をあげるため、平成16年7月より、一般市民を含む非医療従事者でもAEDを使用した除細動の実施が可能となりました。心臓が原因で心停止となった傷病者の場合、その直後は心臓がけいれんしている場合が多く、早く電気ショックを与えることにより心臓を正常な動きに戻すことが可能です。その電気ショックを与えることができるのがAEDです。除細動処置が1分遅れた場合には、心室細動の場合、除細動の成功率が7~10%低下するといわれています。
1番大切なことは傷病者がいる時は全て一人でやろうとするのではなく、周りに助けを求めて、救急車を呼んで救急隊につなげることです。心配になったらいつでも病院に連絡してください。
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