■人の交わりから生まれる多様な地域づくり
富山県に移住し、地域の人と連携しながら様々な活動をしている移住者と、移住検討者への相談対応や移住者が地域に溶け込めるようサポートしている方々にお話を伺いました。
◆Interview
坂口(さかぐち)創作(そうさく)さん(立山町)
Profile_1
福岡県福岡市出身。サラリーマンとして12年間国内外で勤めたのち、2016年に東京から立山町に移住。移住後は、農園の経営や空き家を改修した民泊の実施、新規就農者の支援、地区の未来構想づくりに携わるなど、様々な活動に取り組んでいる。
○立山の風景を見て直感
自然の豊かな場所で生活したい、のびのびと子育てできたらなあと、漠然とした気持ちがあったという坂口さん。「立山の風景がよかった。ここは面白そう。直感ですね」。会社を辞め、35歳のときに家族で移住。「環境は東京と大きく変わりますが、自分や家族にとって豊かな暮らしや新しい可能性が拓ける。最初は大変でも長い目で見たら楽しい展開になると思いましたね」。富山に来てすぐ、とやま農業未来カレッジに入学しました。
○移住者だから、広がるネットワーク
カレッジ修了後の2018年に白雪(しらゆき)農園を設立。「せっかく田園に移住するなら、農業を中心にいろんなことをやろうと」。農業、耕作放棄地を活用したポニー牧場、農と食を楽しむ『立山収穫祭』、親子で里山の自然や暮らしを体験する週末プログラム『里(さと)のようちえん』の開発のほか、移住の相談にも応じています。今年3月には巡礼宿『宿坊(しゅくぼう)立山(たてやま)』がオープン。多様な営みがつながることで地域の再生を目指す坂口さん。そこには、しがらみのない移住者ならではの動きやすさがあるのかもしれません。
○地域に一歩、踏み出してみる
移住のかたちは人それぞれですが、共通するのは地域との関わり。地域に溶け込むために、私の場合と前置きしながら坂口さんはこう話します。「富山は勤勉な土地柄。一生懸命な人が認められる。力仕事を買って出る、困りごとの相談にのる、そうやって地域に一歩踏み出すことで、いつの間にか仲間が増え、自分の活動の応援もしてくれるようになりました」。地域との関わり方はいろいろあるけれど、地域の一員として、支え合いながら暮らしていければ、と坂口さんは考えます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>