◆〜「地域回想法」から地域づくり・世代間交流へ〜
博物館では、わら製品や生活用具などを入れた民具セットを4種類用意し、無料で最長2週間貸し出しています。当館は「地域に根ざした、地域の博物館」として、考古、歴史資料のほかに、明治から昭和ごろまで使われていた身近な生活道具の収集にも大きく力を注いでいます。その中から資料を貸し出す理由は、手に取ってもらうことで質感や重量感を理解してもらいたいという思いからです。
懐かしい民具を見たり触ったりすることで記憶を呼び起こし、高齢者の介護予防や生きがいづくりなどに結びつける「地域回想法」として始めた取り組みですが、地域づくりや三世代交流の場でも活用されています。高齢者が昔使っていたものを久しぶりに見て「涙が出るほど懐かしかった」という声や、「民具を実際に使っていた人たちと使い方が全く分からない人たちが民具に触れることで、会話が弾み、いろんな話が飛び出してくる」という感想もよく聞きます。
また、館内常設展示室には「さわれる民具コーナー」があります。市内の小学3年生の「昔のくらし」の学習の中で民具に触れた子どもたちが、後日改めて博物館を訪れてくれて、楽しそうに会話する様子もみられます。
民具の貸し出しは博物館の窓口で受け付けていますので、ぜひご利用ください。
(博物館事務員 重原 美代子)
問合せ:博物館
【電話】74-8231
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