■Vol.173 スピノーシ美幸さん(楠町在住)
広島市出身。平成22年に岩国市に移住。
小学校教員免許と日本語教師の資格を有し、令和3年から「岩国日本語教室虹の会」に所属し、ボランティアで外国人の子供に日本語を教えている。
福祉会館ではボランティアによる外国人のための日本語教室が開催されています。毎週木曜日の夜に外国人の子供たちに日本語を教えているのはスピノーシ美幸さんです。
スピノーシさんが英語を学びたいと強く思ったのは高校時代。困っている外国人がいたのに、英語での伝え方が分からず対応できなかったことがありました。その時、日本で困っている外国人を助けたいと思い、外国語の専門学校で本格的に英語を学びました。
その後、米軍岩国基地の海兵隊員と結婚し、アメリカに住むことになったスピノーシさん。慣れない国での生活と子育ては大変でした。「特に重さなどの単位や文化の違いに戸惑いました。運転免許も英語を必死に学んで取得しました」と振り返ります。
日本に帰国後は、子育てや仕事をしながら教員免許を取得、日本語教員養成コースも卒業し、市内の小学校で日本語指導支援員として働きました。
ボランティアの形で日本語を教えたいと思ったのは、「身に付けた知識や経験は、地域や人のために尽くすことで初めてその意味や価値が出てくる」と大学で学んだこと。それが今の原動力でもあります。
「虹の会の日本語教室では、宿題を見たりゲームをしたりしながら、その子に合わせた日本語を教えています。子供のやる気を引き出すことや日本の文化を一緒に教えることが大切だと思います。教室には喜んで走って来る子もいるので、その子たちにとって必要な場所だと感じています」
スピノーシさんは「理想は子供たちが通いやすい時間帯や場所に日本語教室があることです。教えるボランティアも不足しています。日本語で困っている外国人の子供たちはたくさんいて、その子たちが日本語が使えるようになり、日本でより良い幸せな生活ができるように、少しでもそのための力になれればと思ってボランティア活動をしています」と語り、関わる一人一人に寄り添いながら活動を続けています。
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