子どもが犯罪被害に遭わないためには、家庭や地域での意識づくりが大切です。防犯への意識を高め、一人一人が普段の生活からできることを考えてみましょう。
■子どもの日常にある危険
子どもを狙った不審者による声掛け、つきまといなどの事案は市内でも発生しています。犯罪などの実態を知り、普段の生活で気を付けることを考えてみましょう。
◆危険な時間帯は?
・学校から帰宅する時
・学童保育からの帰宅、帰宅後の習い事への行き帰り
・他の児童よりも朝早く通学する時
※休日に子どもだけで外出する時などにも注意が必要
◆危険な場所は?
・道路、駐車場、駐輪場、公園
・マンションやアパートの共用玄関、階段、エレベーター
※子どもだけになりやすい場所
◆どんな危険が?
・身体を触られる
・声を掛けられて、連れ去られる
・嫌なことを言われたり、つきまとわれたりする
◆具体的な事例
〔道路・駐車場・駐輪場〕
事例(1)
自宅近くの道路を歩いていると、「お菓子をあげるからおいで」と声を掛けられた。
▽危険対応策
「要りません」ときっぱり断る。それでも近づいて来たら、体をつかまれないように逃げるか、近くにいる大人に助けを求める。
事例(2)
塾から帰る薄暗い道で、「ちょっと一緒に来てくれませんか?」と言われた。
▽危険対応策、予防策
「お家の人に聞いてからにします」ときっぱり断る。また、夜遅い時間帯の帰宅は、家族が迎えに行くようにする。
事例(3)
友達の家からの帰り道で、車の中にいる人から「面白いゲームがあるから車に乗らない?」と声を掛けられた。
▽危険対応策
「行きません」ときっぱり断る。それでも近づいて来たら、体をつかまれないように逃げるか、近くにいる大人に助けを求める。
〔公園〕
事例(4)
一人で遊んでいると「かわいい犬がいるから見に来ない?」と誘われた。
▽危険対応策、予防策
「嫌です」「行きません」と断る。また公園に行く時は家族や友達と一緒に行くなど、子ども一人で遊ばせないようにする。
事例(5)
植木が生い茂っている公園の隅を、うろうろし、子どもを物色している不審者がいた。
▽危険対応策、予防策
公園で見たことを警察に相談する。また公園で遊ぶ時には、一人で人目に付きにくい場所に行かないように子どもに言い聞かせる。
■子どもに教える安心安全のポイント
▽子どもを一人で行動させない
学校からの登下校や屋外へ遊びに行くときなどは、なるべく一人で行動させず、家族や友達など誰かと一緒に行動するよう教えましょう。
▽一人で行動するときは、いつも以上に気を付ける
人目に付きにくい場所で狙われやすく、一人になった時に声を掛けられる事案が多く発生しています。人通りの多い大きい道や明るい道を通るなど、いつも以上に気を付けるよう伝えましょう。
▽外に出掛けるときは、家族に帰る時間を言う
どこで誰と遊ぶのか、帰る時間はいつなのか、家族に言ってから出掛けるように教えましょう。
▽知らない人に声を掛けられて、変だなと思ったらきっぱり断る
不審者は子どもの興味や緊急性を装う言葉(例:ゲームを一緒にやろう、親御さんが事故にあったので一緒に病院に行こう)など、さまざまなパターンで声を掛けてきます。どんな言葉で誘われてもきっぱり断れるように受け答えの練習をしましょう。
▽怖いと思ったら、防犯ブザーを使って逃げるか、大人に助けを求める
防犯ブザーはすぐに使えて周囲から見える位置に取り付けると、抑止効果が期待されます。また定期的に点検(作動状況や電池の残量確認)を行い、いつでも使えるように備えましょう。
▽被害に遭ったときの対応を教える
すぐに家族や周りの大人へ「いつ、どこで、どんな人だったか」を話すように教えましょう。
■インタビュー
◆岩国警察署 生活安全課長 行德祐二さん
▽子どもが不審者に声を掛けられている現場を見かけた場合、どう対応すべきですか?
まず子どもの表情などに違和感があれば、その場で積極的に声を掛けてください。声を掛けることで被害を未然に防ぐことができます。もし声を掛けられない状況であれば、不審者の特徴(性別、年齢、服装など)、立ち去った場合は行った方向など具体的な内容を直ちに110番通報してください。警察への通報が早いほど事案解決につながります。
▽子どもたちが被害に遭わないために、家庭や地域で気を付けることは?
ご家庭では、他人事と思わず、安心安全のポイントを踏まえて、お子さんが狙われないための防犯対策、いざというときの対処行動をお子さんに教えてください。
地域における防犯パトロールなどのボランティア活動だけでなく、皆さんが普段の買い物や散歩などの日常生活において、防犯の視点をもって子どもたちを見守る行動も犯罪の抑止につながります。
子どもたちの安全を守るためにも、ご協力をお願いします。
問合せ:くらし安心安全課
【電話】29-5018
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