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なるほど健康教室[210]

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山口県岩国市

■心臓弁膜症(1)

高齢者で増えている心臓弁膜症。はじめは「弁」という心臓の一部分の病気ですが、進行すると「心筋」(心臓を動かしている筋肉)に障害が起こり心臓全体の病気になります。そのような状態になると、いくら弁に対しての治療を行っても心筋の障害は回復せず、心臓は元通りに働くことができなくなります。心臓弁膜症は自然に治ることはないので、心筋の障害が進行する前に早期の診断と治療をすることがとても大切です。
心臓弁膜症の有病率は、年齢とともに上がる傾向にあります。日本では、65~74歳で約150万人、75歳以上で約250万人の潜在患者がいると推測されます。(下図)
心臓弁膜症は、健康診断での聴診器を用いた聴診で心雑音聴取から診断できることもあります。また心エコーでは心臓の動き、形態、ポンプ機能を調べることができるため、弁膜症を発見でき、心不全の診断にも有用です。
心臓弁膜症は、心臓の働きに悪影響を及ぼして「心不全」という状態を引き起こす原因の一つです。重度弁膜症の根本的治療には手術が必要です。しかし、軽い弁膜症には手術は不要で、定期的に検査を行って様子をみることになります。弁膜症が重度でなければ、薬で症状を軽くすることはできますが、壊れた弁は治りません。どのような治療をいつ行うかを決めるためには的確な診断が最も重要です。中等度以上の弁膜症と言われたら、症状がなくても専門医の診断を受けることをお勧めします。弁膜症は少しずつ進行します。手術が不必要な場合でも、定期的な検査が必要です。
〔岩国市医師会〕

▽心臓弁膜症の有病率

図:心臓弁膜症サイト【HP】https://www.benmakusho.jp/about/symptom.htmlから引用
1:Nkomo VT,et al. Burden of valvular heart diseases:a population-based study.Lancet.2006;368:1005-11.
2:総務省統計局.人口推計の結果の概要令和2年4月報(令和元年11月確定値).Available from:【HP】https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202004.pdf
(アクセス日:2020年4月28日)

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