■Vol.179 八百屋博(やおやひろし)さん(錦見在住)
岩国駅前の中央通りとJR岩国駅周辺の清掃活動を20年にわたり継続して行っている。令和5年に生活環境改善事業功労者として山口県知事表彰を受賞。
「中央通りを活性化する会」を有志と共に設立し、数々のイベントを実施してきた。
毎月第4木曜日には、JR岩国駅西口広場から中央通りにかけて、地域が一体となった清掃活動が行われています。その活動の中心となっているのが八百屋博さんです。
中央通りに店を構える八百屋さん。60歳になった時に「今までの人生は自分の事業を中心にやってきたが、この節目を機に何かせんといけん」と思うようになりました。
ある日、店の前の通りで、老人が放置自転車にぶつかり転倒してけがをしました。そこで八百屋さんは、放置自転車を無くそうと、毎朝6時から中央通りに立ち、声掛けを行いました。
「なんと3カ月で放置自転車が無くなり、さらに声掛けした人とあいさつを交わすいい関係になれたんです」
この出来事をきっかけに、八百屋さんは地域のためにできることをやろうと強く思うようになります。
「まず中央通りの木にイルミネーションをやってみようと。市や県に相談して許可をとり、電球を買って、地域の皆さんと48本の木を飾りました。大変でしたが、とても喜ばれましたよ」と話す八百屋さん。もっと地域を活性化させようと「中央通りを活性化する会」を有志でつくり、七夕飾りや盆踊り、長さ20mのジャンボ巻き寿司や千人分のジャンボ岩国寿司に挑戦するイベントなどを行いました。
同時に、岩国の顔とも言える岩国駅周辺をきれいにしようと、平成16年から月1回の清掃活動を始めます。
「今年で20年になります。地道な活動が広がり、周辺の商店や自治会、金融機関やJRの職員など、たくさんの人が参加してくれます。続けてきてよかった」と八百屋さんは言います。
八百屋さんは「何事も変えていこうと思ったら、種をまく必要がある。自分が機関車となり、目標に向かって種をまきながら進んできたら、周りが自然に付いてきてくれた。感謝しかないです。次はみんなと、ジャンボ岩国寿司でギネス記録に挑戦したいですね」と目を輝かせながら話してくれました。
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