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なるほど健康教室[212]

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山口県岩国市

■心臓弁膜症(3)

前回に引き続き、心臓弁膜症のうち特に多いものについて、症状や治療法を紹介します。
(1)大動脈弁狭窄(きょうさく)症は、症状が出現することで予後が非常に悪くなります。そのため、症状が出現する前の対策が非常に重要となります。大動脈弁狭窄症は動脈硬化による弁の変性や石灰化によって起こりやすいため、動脈硬化を起こしやすい「高血圧」や「糖尿病」、「高コレステロール血症」の持病がある高齢者は、このような病気があることを知り、これ以上動脈硬化を悪化させないように、生活習慣の改善を目指すことが必要となります。
(1)大動脈弁狭窄症の治療法としては、軽度から中等度では、定期的に経過観察をします。重症になれば、外科的に人工弁を使った弁置換(べんちかん)術を行います。外科手術の危険性が高い場合には、カテーテルを用いた弁置換術が適応となる場合もあります。
(2)僧帽(そうぼう)弁閉鎖不全症は、最近増加している心臓弁膜症の一つです。僧帽弁逆流とも呼ばれ、僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流します。左房圧が上昇して心不全症状を生じ、また左心室に負担がかかります。重度になると心臓の拡大と機能低下が起こります。この病気は、症状のないまま心臓の働きが低下することがあるので、注意が必要です。心臓の負担から不整脈が生じることもあります。
(2)僧帽弁閉鎖不全症の症状としては、肺への負担・心臓の働きの低下による息切れや呼吸困難が起こります。また不整脈が出やすく、動悸やめまいを感じることがあります。症状がなくとも、心臓の機能低下が進行することがあり、定期的な検査が必要です。
(2)僧帽弁閉鎖不全症の治療法としては、軽度から中等度では、定期的に経過観察をします。重症になれば、外科的に逆流を止める手術が必要になります。手術法としては、自分の弁を修理する弁形成(べんけいせい)術と、人工弁を使う弁置換術があります。どちらの術式が良いかは、よく検査をして決める必要があります。
次回は、(3)大動脈弁閉鎖不全症と(4)僧帽弁狭窄症について紹介します。
〔岩国市医師会〕

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