■一般質問第3回定例会 9月8日
▽市原旭(いちはらあきら)議員
Q.みどり保育園福賀分園の休園について
A.町から保育園を無くすわけではなく一定の目安を示して理解をいただいた
問:保護者に結論を求め、「自分たちの判断が保育園の歴史を閉ざす」との悲痛な思いをさせていないか。
町長:
来年度以降、分園に通う見込みだった園児の保護者の意見を伺い、理解を得ることを最優先に、丁寧な経緯説明をしてきた。
新生児の増加に伴い、本園の保育士が不足し、待機児童を出す状況になりかねない一方で、現在、福賀分園の園児は、発育や集団行動の観点から、週2日、本園で合同保育を行っている。
来年度、福賀分園に通園見込みの園児数が2名になることが想定され、本園の大勢の中で保育する方が、発育にとって最善であろうと考え、5月頃から分園の休園を模索してきた。
問:
園児の成長には個人差がある。保護者の承諾による車移動は、福賀地区の冬の路面凍結が懸念され、3歳未満児にはハイリスク。
そのような観点からも、休園解除条件(3歳未満児3人以上)の見直しを図るべきではないか。
町長:
現在、宇田郷地区の3歳未満児1名が通園バスを利用している。
保育士の対応や四駆車の配備など、安全については十分に配慮する。
休園解除条件はあくまで目安であり、保護者からも柔軟な対応を要望されていることから、その時々の状況により判断する。
問:
世間でも保育士不足が課題だが、阿武町においても近年中に相当数の職員の定年が予定されている。
職員募集を継続するも、求職者優位の現状もあり、苦戦していると聞く。
職員の奮起を促す意味も含め、給与の見直しや待遇改善などの対策を図っては。
町長:
県内6町にも伺ってみたが、どこも、職員採用の状況は厳しく、若い職員の離職にも苦慮している。
少数精鋭で奮起している職員の処遇を改善したいとの気持ちはあるが、特に初任給アップを実施すると全職員の在職者調整が伴い、将来にわたり多額の人件費負担の増額が発生する。
これからも国準拠を基本としたい。
問:
少子化や職員の不足は単に休園だけの話ではなく、10年後の福賀地区や阿武町の大問題である。
少子化に伴って懸念され続けてきたが、いままでは継続できていた。これは、町の積極的な移住施策の成果であり、高く評価できる。
しかし、これまでの家族単位の受け入れは、保育園・学校・医療機関が近在したことによる恩恵がある。
「若い家族が住みやすいまちづくり」は、長いスパンでの視点が必要で、安易に公共施設を集中させるだけではなく、町の長期ビジョンを示すことが大切では。
町長:
移住定住を検討する際に、子育て支援の充実や、保育園などの有無が大きな判断材料となることは指摘のとおりである。
しかし、保育園に限って言えば、町から保育園を無くすわけではない。
遠くはなっても、家までの送迎や、魅力と特色ある保育を提供していくことでカバーできる。
また、小学校の統廃合を町から提案することはない。
福賀診療所については、「阿武町地域医療検討会」を設置し、検討を開始した。
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