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議会だよりNo.91(1)

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山口県阿武町

■一般質問 第4回定例会 12月7日
▽白松靖之(しらまつやすゆき)議員
Q.Uターン奨励金の年齢・就業の要件を撤廃しては
A.Uターン者への期待は高いが「誰でも対象」には議論の余地
問:
定住奨励金の支給要件として、Iターン奨励金は「定住の意思のある方がIターンされた場合」となっている一方、Uターン奨励金では「定住の意思のある年齢が65歳未満の方が、就業のためにUターンされた場合」となっている。
Uターン者には生活の基盤となる家や土地、地元への親しみがあり、人間関係がスムーズにいくことが期待される。
また、地域に古くからある文化・慣習への理解がすでにあり、町外出身のIターン者と違い、親の介護などで町を離れることも少ない。
ごく一部の話ではあるが、移住してこられた方と地元住民の方との間でトラブルが起こってしまったり、親の介護などで町外の実家に帰ってしまったりする事例もあるし、地元の方からは「移住してきたばかりで地域の慣習に馴染みがない方に、集金や募金のお願いをするのは心苦しい」といった声も聞いている。
多くの住民のみなさんの移住者への切実な願いは、農作業への従事、草刈りや水路掃除、お宮・お寺の祭事への参加、自治会・消防団・婦人会などへの加入、地元の祭りへの協力などである。Uターン奨励金の支給の年齢制限と就業要件を撤廃して、
Uターン者の移住を一層、促進するべきでは。
町長:
今年度から、Uターン奨励金の年齢制限を「50歳以下」から「65歳未満」に引き上げるなど、要件を大きく緩和した。
近年、地域維持のために、住民からUターン者への期待が高いといった認識は同感である。
ただ、Uターンの場合は親の介護や、定年後の田舎暮らしなど、さまざまなケースがあるため、「年齢制限や就業要件を撤廃し、阿武町に帰ってくれば、誰であっても奨励金の対象に」とすることについては議論の余地があり、今後の検討課題としたい。

▽上村萌那(かみむらもな)議員
Q.町の子育て支援について
A.「若年女性人口」を引き込むべく国の動向を見極め引き続き独自支援を
問:
若い世帯の転入件数や出生数の増加など、阿武町の先進的な子育て支援の成果が目に見え始めてきた。
さらなる支援としては、「在宅育児支援」「高等教育の支援」なども考えられるが、今後の子育て支援について、どのように考えているのか。
町長:
町の「子育て支援3点セット」(高校生まで医療費無償化、3歳未満児を含む保育料の無償化、保育園・小・中学校の給食費無償化)をはじめ、出産祝金を大幅に拡充するなどしてきた町の独自施策の結果が評価されており、嬉しく思う。
ファミリーサポートセンターや、高校生の通学・下宿補助金制度などで引き続き、子育て世帯を支援しながら、国の掲げる「異次元の少子化対策」の動向を見極めつつ、阿武町独自の、心に刺さる支援策を打ち出したい。
20歳から39歳までの女性の人口、いわゆる「若年女性人口」を、いかに地域に留め、引き込むかが、人口問題の鍵であると言われている。
一度、阿武町を出た若者が結婚や出産を機に、阿武町に帰ってきたいと思える環境づくりにも尽力したい。

Q.教育環境の充実について
A.「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化を図る
問:令和5年度全国学力学習状況調査の結果を踏まえた小・中学校の課題と、今後の取り組みは。
教育長:
各教科の結果を分析したところ、各学年の全ての教科において「根拠を示しながら自分の考えを文章で表す問題」での正答率が低く、無回答の割合が、他の問題に比べ、かなり高かった。
阿武町の児童生徒は、論理的思考力、表現力に課題があり、このことは以前からも課題として認識していたが、解決に向けた取り組みを強化する必要がある。
各教科の授業はもとより、教育活動全般を通して、自他の意見を交換する場面や、考えを発表し合う場面を多く設けることで、主体的に考えて伝え合う活動を活発化する。

問:一人ひとりの子どもに応じた支援について、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を両立させる新たな教育の可能性は。
教育長:
現在、複数教員での授業や、学習支援員を配置した授業を多く取り入れ、「指導の個別化」が図られるように努めている。
また、「個別最適な学び」の実現には、従来の教師を中心とした一斉授業からの脱却が重要と考えており、全国でも習熟度別学習や自由進度学習などが進んでいるが、阿武町においても実践できるように取り組む。
こうした「個別最適な学び」の中で、子どもたちが協力して、課題解決や意見交換をしつつ学びを深める「協働的な学び」を推進する。
これを支えるのはデジタル技術の活用であり、支援員の配置も検討しながら、一層、タブレット端末の有効活用を図っていく。

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