■どうなってるの!?箕輪鮭漁業生産組合ふ化場
鮭を増やすための鮭ふ化場。
施設では、いったいどんな作業が行われているの?
▽おいしい鮭は、縄文人も食べていたんだって!鮭の人工ふ化は、命をつなぐお手伝い。
川で産まれた鮭は、海を回遊した後、産卵のために産まれた川に戻る習性があります。明治時代に戻る鮭の数が減少したことから、鮭の保護と増殖を目的に、人が卵を育てる「人工ふ化」の取組みがはじまりました。遊佐町には、毎年10月から12月までの間に、たくさんの鮭が川に戻ってきます。シーズン中、牛渡川に接した箕輪鮭漁業生産組合のふ化場では、「特別採捕許可」を得て組合員である地域の農家さんが、早朝から川の鮭を採捕し、卵を採取しています。令和5年の採捕量は約2万匹とのことですが、歴史をさかのぼれば、8万匹を超す鮭を採捕した記録も残っているそうです。採取した卵は冬の間にふ化場で大切に育てられ、春には800万匹以上もの稚魚が牛渡川に放流されるのです。遊佐町の小山崎遺跡では縄文人が食べた鮭の骨が見つかるなど、鮭は古くから人々の食生活に欠かせない魚です。鮭を守り増やすことは食を守ることでもあります。
写真キャプション1:大きな鮭がたくさん集まる光景は圧巻です!!
写真キャプション2:1匹から約3,000粒の卵が取れます
◆ヒミツポイント
《毎朝鮭と鬼ごっこ!?》
朝8時ころから牛渡川に入り大きな網を使い、「ウライ」と呼ばれる仕掛けまで、ゆっくりと鮭を追い込みます。
《鮭の生態を知るヒントに!》
鮭のうろこからは年齢が、耳石という組織からは人工ふ化した場所や放流した時期がわかるそうです。鮭の生態を知るため採取し、研究機関に送ります。
《清らかな水が行き渡るふ化場》
ずらりと並ぶのは、庄内式ふ化槽。水の入ったふ化槽の金網の上に卵が置かれ、ふ化する直前までここで飼育されます。
《川に戻った鮭としては日本一の大きさ!》
1977年に牛渡川で採捕されたオスの鮭。体長100センチで体重は14.3キログラム!遊佐町の鮭は、比較的大きな個体が多いのが特徴だそうです。
▽箕輪鮭漁業生産組合 代表理事組合長
佐藤 仁(さとう ひとし)さん
毎年たくさんの鮭が戻ってくるように人工ふ化に取り組んでいます。鮭の採捕作業を自由に見学できるほか、事前にご予約いただくと、鮭とばや寒風干しづくりも体験できます。近くに「丸池様」もありますので、ぜひ見学にきてください。
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