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特集 三川町が復活させた100年前の米「イ号」未来へ

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山形県三川町

明治時代に育種され、昭和初期まで栽培されていた水稲品種「イ号」。庄内地方の三大民間育種家の1人、故・佐藤彌太右衛門(やたえもん)氏(猪子)が、明治40年に育種し、県内で広く栽培されていた「三川発祥のお米」です。
町では、わずかに保存されていたイ号の種子「50g」を使って、イ号を復活させる取り組みを平成29年に始めました。
翌年にはイ号を原料とした日本酒造りに取り組み、令和元年、多くの方々の思いとともに、町オリジナルの日本酒「イ号彌太右衛門」が完成しました。日本酒の完成から5年、イ号を活用したさらなる特産品づくりが拡大しています。

■イ号100年の軌跡
・1907年(明治40年)イ号誕生 故・佐藤彌太右衛門氏(猪子)が育てた水稲品種
・1927年(昭和2年)イ号最盛期 県内作付け面積第1位
新品種の台頭などによりイ号の作付けが途絶える
・2017年(平成29年)イ号プロジェクト始動
イ号の種子50gを譲り受ける(県水田農業試験場が保存)
種子を増やすため作付け(50gの種子から5kgを収穫)
・2018年(平成30年)約80年ぶりにイ号収穫 町オリジナルの日本酒を作るため、鶴岡市の酒蔵「渡會本店」に醸造を依頼
・2019年(平成31年)(令和元年)イ号を使った日本酒「イ号彌太右衛門」誕生(名称は公募により決定)
・2024年(令和6年)そして現在…

■日本酒造り
▽2024年の新酒ができました
平成31年4月に誕生した「イ号彌太右衛門」には、令和4年、醸造方法を変えた新しい銘柄の日本酒「IGO(イゴウ)」が加わりました。
今年2月には、令和5年産イ号を使用した「IGO」の新酒が完成し、後味の引きの良さが感じられる仕上がりとなったようです。
2月24日(土)、鶴岡市で開催された「大山新酒酒蔵まつり」では、蔵元の(株)渡會本店に「IGO」の特別試飲ブースを設け、新酒をPRしました。

▽2024新酒IGOについて (株)渡會本店より
歴史を経て復刻したお米「イ号」の特徴を最大限に引き出すことと、三川町の壮大な大地を思い浮かべていただけるよう、思いを込めて醸造しました。
新酒は、味わいの力強さや口に含んだ時の弾力感が、昔の米らしく、通常の米との違いが分かりやすく、土や土壌を感じさせるような仕上がりとなりました。

■広がるイ号の利活用
▽酒粕・米粉
イ号の酒づくりの過程でできる酒粕も商品化され、町内で販売されています。酒粕は栄養価が高く、さまざまな料理にご利用いただけます。これからの時期は、春に旬を迎える孟宗汁におすすめです。
これまでに、イ号の米粉を使ったバームクーヘンやクッキーが作られました。今年度は、三川町観光協会が「みかわん」を模した菓子型を作成し、イ号の米粉を使用したお菓子作りを行う会員事業者に貸し出しました。
これにより、「みかわんの米粉クッキー」が完成して町内で販売されたほか、町立小・中学校の卒業生への記念品として贈られました。

▽未来へ
町では、今後も事業者と協力し、町にゆかりのあるイ号を活用しながら、〝米どころ三川町〞をPRしていきます。

■イ号で商品を作りませんか?
三川町観光協会では、会員事業者の協力を得ながらイ号の利用拡大を図っており、イ号を活用した商品開発を希望する事業者を募集しています。

問合せ先:三川町観光協会
【電話】66-4656

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