■農家社会と脳化社会~幸福な社会とは~
「農家社会」とは、農業を主体とした社会で、農業生産や農業の技術・発展が経済活動の基盤となる社会を指します。特徴としては、共同体意識や伝統的な価値や風土が根付いており、自給自足の生活や地域コミュニティの強固さなどが挙げられます。
一方、「脳化社会」とは、情報や知識が価値を持ち、情報処理能力や知識の獲得が重要な要素となる社会のことを指します。特徴としては、情報化やグローバル化が進み、個人主義や競争社会が浸透しており、多様性や自己表現の自由化が重視されることなどが挙げられます。
先日、新聞のコラムに「活力ある幸福な社会へ」というテーマで、解剖学者養老孟司氏のコメントが掲載されていました。その中で養老氏は、頭で考えた通りに物事を進めようとする「脳化社会」を嘆き、一極集中している都会での暮らしを疑問視しています。そして、地域ごとに食糧やエネルギーを自給自足して暮らすのが望ましい姿であると提唱しています。また、天災の備えとして、都会に住む人は地方にセカンドハウスを用意したほうが良いのではとの提案もされていました。
気候変動が様々な影響を及ぼし、南海トラフや首都直下型といった大地震も予想される昨今、同音異義語の「のうか社会」について考えながら、現代の私達はどう生きるべきかと思案しながら、地方に住む私達の力・役割はますます重要になると思うのです。
中山町長 佐藤俊晴
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